岩田:それまでは勉強もスポーツも別に得意ではなく、本当に平凡な子どもだった私が、中学校でとてもすてきな恩師と出会ったのです。走るのがすごく速かったわけではないのですが、何だかビビッと来るものがあって、中学では陸上部を選びました。その顧問の先生が、生徒自身に目標を設定させ、それを達成させるという手法で部員を導いていたのです。
窪田:子どもに自ら決定させるという方法は、岩田さんのメソッドと近いものを感じますね。
「夢中になるってこういうことなんだ」
岩田:実際に自分で設定した目標に到達できるよう練習に打ち込んでいたら、周りからは「朝も昼も、そんなに練習して大変じゃないの?」なんて言われました。でも当時の私にとっては、自分で決めて追い求めているものだから楽しくてたまらなくて、練習も喜びでしかなかったんですよね。休日なんて必要なかったし、「夢中になるってこういうことなんだな」と感じました。結果としては大阪府の大会で入賞するところまでいきました。でもこれも私が特別だったわけではなく、部員の半数以上が何らかのタイトルを獲るという、すごい強豪になっていたんです。
窪田:私も子ども時代の出会いが、今の自分に大きな影響を与えていると感じます。小学校時代の私は、先生たちにとって「いかに無視して授業を進めるか」を考えさせる存在でした。後年になって聞いたところでは、「良くんは教室の後ろでボール遊びをしているような多動児で、発言させれば機関銃のように質問が止まらなくなるので、とにかくいないものとすべし」という申し送りが校内であったそうです。
しかし、6年生のときの担任の先生は、私が勝手なことをしているとチョークを投げつけて「授業を聞きなさい」と叱ってくれた。「僕みたいな厄介者にも向き合おうとしてくれる先生がいるんだ」と感銘を受けて、その先生の言うことだったらとことんやろうと思うようになりました。今でも尊敬している大切な恩師です。
人との出会いは自分で選ぶことができませんが、人生を大きく変えるインパクトがありますね。わが子にどうやっていい出会いをもたらすか。これは難しいことですが、親としては考えていきたいところだと思います。

















