令和の子「考え抜くのは不得意」 子どもの好奇心が減った背景に、スマホが奪った《入り口のつまらなさに耐える力》

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このように、「粘り強く考え続ける力」が弱くなっているのではないか、という実感が現場にはあるのです。

確かに最近の生徒の学習態度を見ていると、わからない問題があったときに「わからないから答えを見よう」「これ以上悩んでも無駄だ」とすぐに考えてしまう生徒の割合が多くなったように感じます。

なぜ、粘り強く考える力が減っているのか。その背景の1つには、スマホがあるかもしれません。

少し時代をさかのぼってみると、スマホが登場する前の社会には、今ほど多くの娯楽はありませんでした。雑誌や本を見ても、自分の興味関心にぴったり合ったものばかりが並んでいるわけではなく、「目の前にあるものをとりあえず読んでみる」という行為が、ごく自然な日常でした。

テレビも同様で、チャンネルをつければ自分好みかどうかにかかわらず、流れている番組を見るしかありませんでした。

たとえば、いつも買っている雑誌の特集があまり面白そうに見えなかったとしても、「せっかく買ったのだから、一通り読んでみよう」と思ってページをめくった経験がある人も多いのではないでしょうか。

そして、そうして読み進めるうちに、意外と引き込まれたり、新しい興味が芽生えたりすることも少なくありませんでした。

学校の授業も同じです。最初は「よくわからない」「退屈だな」と感じながらも、「もう少し聞いていれば面白くなるかもしれない」と粘って向き合うことが求められていました。そして、その"入り口のつまらなさ"を越えた先に、学ぶことの面白さや理解の喜びがあったように思います。

「インスタントな面白さ」の罠

ところが今の時代は、サジェスト機能によって、自分の興味に合った「面白いもの」が自動的に、しかも次々と提示されます。1分にも満たない動画、ワンタップで切り替わるリール、指を動かすだけで現れる「自分が好きそうな情報」。

こうした"インスタントな面白さ"が当たり前になった結果、「少し頑張って読み進めてみる」「もう少し考えてみる」という行為そのものの価値が、相対的に低くなってしまっているのではないでしょうか。

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