無痛分娩できる施設が激減!?"出産費用無償化"にこだわる人が見逃している重大リスク
分娩件数が確保できない小規模な産院ほど経営困難に陥り、地域に根差した個性的な産院が次々に淘汰されてしまいます。
その結果、画一的なサービスが提供できる大規模病院だけが残る可能性が高いと私は予測しています。
そうなれば、妊婦さんが「住み慣れた地域で出産する」という選択肢そのものが失われかねません。
民間産院が掲げる「選べる出産」という付加価値の尊さ
そもそも、妊娠・出産は病気ではなく、健康な人が、人生の大きなイベントとして臨むものです。
病気の治療であれば、標準化された医療を安価に受けることが最優先かもしれません。
しかし、お産には妊婦さんの「どのような環境で、どのように産みたいか」という個人の価値観が強く反映されるのが、妊婦さんにとっての選べる選択であり、幸せにつながると感じています。
現在、私の経営するファミール産院グループでは、約6割の妊婦さんが無痛分娩を選択しています。
しかし、あくまで痛みを伴うお産が怖い、痛みを緩和したいというのは、病気の治療とは異なる個人のニーズと言えるでしょう。
今の制度では、基本の出産育児一時金、50万円(2025年1月時点)に加え、自身でプラスアルファの費用を払うことで、無痛分娩や個室、豪華な食事といった付加価値を選択できています。
私は、この「選べること」自体が妊婦さんにとっての幸せであり、重要な権利であると感じます。
妊婦さんやそのご家族にとって、選べるという環境があること自体が価値になるのです。もしお産が完全な保険適用となり、混合診療(保険診療と自由診療の併用)が原則禁止のルールとなれば、こうした付加価値サービスを提供することが難しくなってしまうことでしょう。
無痛分娩も、医学的な適応がない限りは保険外となり、全額自己負担となるか、あるいは実施できる施設が激減する恐れもあります。
一生に数回しかないお産というイベントにおいて、費用を惜しまず、自分にとって最高の経験をしたいと願う人は少なくないでしょう。


















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