無痛分娩できる施設が激減!?"出産費用無償化"にこだわる人が見逃している重大リスク

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都心部では地価が高く、施設の賃料や維持費が地方とは比べ物にならないほど高額です。加えて、人件費の高騰も近年では都市部を中心として著しくなっています。

都会のほうが人件費も高く土地代も高い、それなのに売り上げ(出産費用)が全国一律になれば、コストが高い都会の産院ほど利益が出なくなり、倒産のリスクが高まってしまいます。

実際に、現在の自由診療下においても、都心の出産費用が地方に比べて高いのは、便乗値上げではなく、競争原理とコスト構造の中で自然に形成された結果です。

これを無理やり全国一律の価格に押し込み、地方のコスト基準に合わせれば、都会の産院は立ち行かなくなってしまいます。

逆に都会の基準に合わせて価格を高めに設定すれば、地方の産院は潤うかもしれませんが、国がそこまで財政負担できるのかという問題になります。

つまり、コスト構造の地域差を無視した「価格の一律化」は、経営環境が過酷な都市部の産院に打撃を与え、結果として「お産難民」を生み出す不公平な結果を招きかねないのです。

価格一律化で医療サービスの質が低下する危険性

経営が圧迫されたとき、産院経営者が迫られるのはコストカットです。

出産費用が固定化されれば、利益を確保するためには支出を削るしかありません。

そして、私はそのしわ寄せが真っ先に「サービスの質」に向かうことになるのではないかと懸念しています。

わかりやすい例を挙げると、今の産院は、お祝い膳など食事に工夫を凝らしている産院もありますが、保険適用で予算が削られれば、質素な病院食に戻さざるを得なくなります。

さらに深刻なのは、人件費への影響です。

本来、産院経営において人件費は削りたくありませんが、経営再建で一番結果が出やすいのも人件費になります。

具体的には、非常勤の麻酔科医や経験豊富な助産師など、質の高い医療を提供するために確保していた人員が削減対象となってしまいます。

医師や助産師が減れば、一人当たりの業務量は増え、妊婦さんへのきめ細やかな対応は難しくなります。

人員にコストを割けなくなるほど、妊婦さんが受けられるサービスの低下は免れないのです。

また、単価が固定されると、収益を維持するためには「数」をこなす必要が出てきます。

薄利多売の構造になれば、一人ひとりの妊婦さんに向き合う時間は失われ、効率重視のお産になりかねません。

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