激変する世界、変わらないニッポン--野口悠紀雄×ちきりん白熱対論「数の突破力を教えよう」番外編・その1

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データを駆使して鋭い議論を提起し続ける経済学者・野口悠紀雄氏。数字を手掛かりに、常識を鮮やかに覆すカリスマブロガー、ちきりんさん。初対面ながら対談は白熱し、2時間近くに及んだ。『週刊東洋経済』6月9日号特集「数字脳を鍛える」では載せきれなかった部分を「番外編」として再構成。そのパート1。雑誌と合わせて読めば、数に強くなること間違いなし! 

■人口がもたらす変化を理解しよう!

野口悠紀雄(以下野口) 日本には、「正確に間違えている」、つまり細部は正確だが全体として間違えている議論がよくあります。その一例は、今後40年で日本の人口が半分になると予測されるから大変だというような話です。そういうことをいわれるとびっくりしますが、非常にミスリーディングですね。

総人口の減少は非常に緩やかな変化です。年率でいえばゼロコンマ何パーセントであって。経済の変動には、それよりもっと大きな変動要素がたくさんある。そちらのほうが重要なわけです。

人口の議論をするのであれば、それよりも年齢の構成の変化のほうがはるかに大事です。労働年齢人口が減少することによって、この10年以内に労働力人口が1000万人ぐらいの単位で減少してしまう可能性がある。そのほうがはるかに重要な問題です。

ちきりん 確かに年齢構成の変化は深刻ですよね。それこそ40年後の話ですけども、日本では65歳以上が全体の4割を超えると予想されています。今たぶん2割ちょっとだと思いますけれども、イギリスとかヨーロッパの先進国でさえ、40年後に20数パーセントにしかならないという予想なので、日本の高齢化率は未曾有というレベルの数字になるわけです。

野口 私が子供のときは、日本の人口は8000万人、世界の人口は30億人だと覚えました。


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