世界で信用を失いつつあるアメリカ、「世界の中の日本」が意識すべき付き合い方とは

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――たとえば輸入品の価格が上がって、アメリカの消費者が、同じものを買うにも以前より多くのお金を払わなくてはいけなくなる、ということですか?

そうですね。他にも、アメリカ国内の価格が上がると売り上げが落ちると考えた輸出国の企業が、なるべく価格が上がらないように、関税分のいくらかを自ら負担することも考えられますよね。実際、日本の自動車メーカーの業績にも大きな影響が出ています。

――なるほど。

それに、「高い関税を避けるために輸出企業がアメリカ国内に生産拠点を移す」という第2の目論見も、そう簡単には行きません。

アメリカでものを作ろうとすると、人件費をはじめとして高いコストがかかるし、そもそも熟練した技術者が足りないという問題もありますから。

国際的な信用が揺らいでしまった

――つまりトランプ大統領の意図したとおりになる可能性は、低いと。

そう言っていいでしょう。そもそも、どうしてこれまでアメリカをはじめとする世界の国々が関税を引き下げる方向で努力してきたのか、それには、合理的な理由があったわけです。

お互いに足りないものを融通しあうという国際自由貿易の考え方からすると、同盟国を含む世界中の国々に高い関税を課すことで見込めるメリットよりも、被るデメリットのほうがずっと大きいことが容易に予想できる。だから基本的にゼロ関税を目指してきた。

それをトランプ大統領は、どういう根拠があったのかわかりませんが、「いける」と思って大胆な手を打ってきたわけです。

――まったく迷惑千万というか何と言うか……。そして、トランプ関税をきっかけに、混乱が生じただけでなく、アメリカに対する国際社会の信用も失墜していると言われていますよね。

失墜とまでいかなくても、揺らいでいることはたしかでしょう。敵対国ならともかく、同盟国に対しても、いろいろな脅しをかけて、関税だけでなく、多額の対米投資も引き出したのですから。

年初のベネズエラ攻撃についても、国際社会から大きな疑問が投げかけられています。

――アメリカへの信用がなくなる、ということは、ひょっとして、世界がドル体制から脱却することもありうるのでしょうか。

そうですね、すぐにとはいえませんが、将来的にないとは言い切れません。それには2つ要因があります。

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