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時価総額1兆ドル目前、JPモルガン「一強」の正体/アップルカード取得後に浮上した「トランプリスク」が死角に

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JPモルガン
業績拡大を背景に、JPモルガンの時価総額は米銀行初の1兆ドルに迫る(fatido/getty images)

「われわれは先頭を走り続けるつもりだ、神よ照覧あれ」――。

1月13日に米最大手金融グループのJPモルガン・チェースが開いたアナリスト向け決算説明会。膨張する経費に関する質問に対し、ジェイミー・ダイモンCEOは将来への投資をためらわない姿勢を強調した。

同社が発表した2025年12月期決算は、売上高に当たる総収入が前期比2.8%増の1824億ドル(約28.8兆円)。純利益は同2.4%減の570億ドル(約9.0兆円)で、3年ぶりの減益となった。

決算発表後の同日の株価は、前日の終値から一時約4.3%下落。貸出金や国債などの金利収入から預金利息などを差し引いた純金利収入は前期比3.1%増加となった一方、第4四半期の投資銀行部門の債券引受手数料が前年同期比で減収となったことなどが嫌気された。

一過性要因を除けば業績好調

減益決算となったことで一見すると厳しい状況だが、これは一過性の要因が大きい。保有しているVISAの株式について、前期に巨額の評価益を計上していたほか、1月7日に発表した米アップルのクレジットカード事業取得に伴い、22億ドル(約0.3兆円)の貸倒引当金を一括計上しており、これらの影響を除くと増益となる。

アップルのカード事業はもともと、19年にゴールドマン・サックスとの提携(エンベデッドファイナンス)によって開始しており、カード保有者に高い預金金利を提供するなどして話題となった。しかし、与信などを担うゴールドマンの採算が悪化し、多額の未払い残高が積み上がっていた。

ゴールドマンからの事業取得に伴い、代わりの担い手となったJPモルガンがアップルカードのポートフォリオを引き受け、新たな発行主体になる。

ダイモンCEOは決算発表同日に出した声明で「われわれは将来の成長を牽引するために資本を投じることにコミットし続けており、アップルカード(の取得)は、魅力的な機会に対するわれわれの余剰資本の『忍耐強く思慮深い展開』の一例だ」と述べている。

同社の26年見通しでは、純金利収入が前期比7.4%増の1030億ドル(約16.3兆円)を見込む。年2回の利下げを前提にFRB(米連邦準備制度理事会)に預ける準備預金の利息収入や、預貸利ザヤが圧縮するものの、クレジットカードのリボ払い残高や預金の増加などによるバランスシート拡大によって増収トレンドを維持する見通しだ。

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