「読書は長いほどいい」→大いなる誤解。全国学力テストの分析で判明した、「2時間以上」で成績が下がる"逆U字現象"の衝撃

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1. 実はよくある「逆U字」現象

こうした逆U字現象は、読書との関係を分析した際には広く見られます。学力に関して、成人版の国際学力調査PIAAC(「ピアック」と読みます)というものがあるのですが、そこでも逆U字現象が見られます。

「余暇に『小説やノンフィクションの本を読むこと』の頻度」と「読解力」の関係を見てみると、「毎日」と回答した成人の読解力スコアは、「少なくとも週に1回以上」と回答した成人の読解力スコアよりも低くなっていることがわかります。

もう少し詳しくいえば、「まったくない」から「少なくとも週に1回以上」までは読解力スコアが高まっていくのですが、「少なくとも週に1回以上」でスコアは頭打ちとなり、「毎日」はそれよりも読解力スコアが落ちてしまうのです。

つまり、子どもだけでなく、成人の学力でも起こることなのです。

逆U字現象は学力以外でも起こります。

東大とベネッセの「子どもの生活と学びに関する親子調査」データを私が分析したレポートでは、調査開始年や調査時の学年などによってデータを分類した結果、「現在あるいは過去の読書時間と、現在の語彙力・読解力スコアの関係を分析すると、その約4割に逆U字効果がみられたこと」を報告しています。

ここでの4割とは、直線的に効果があったものも、そもそも効果が観察できなかったものも、すべて含めた約100個のデータの中での4割、なので、かなり大きな割合です。

さらに、ABCD調査でも「9歳以前に週に何時間読書をしていたか」という質問をしており、知能との関係を見ると、週に12時間で知能スコアがピークとなり、それより長い時間読書をしていた児童では、むしろ知能スコアは下がっているのです。

さらに、同じABCD調査では、子どもの抱える精神的問題を測定するアンケートとの関係で、

子どもの精神的問題の総スコアは、読書時間が12時間までは下がる(精神的問題が少なくなる)が、12時間を超えると上がっていく(精神的問題が多くなる)ことがわかっています。

読書の「スモールインプット」現象とは

2. 読書の「スモールインプット」現象―実は読書は「短時間」が一番お得

もうひとつ、別の現象も説明させてください。

次の図は、小学6年生版です。全国学力テストにおける平日の読書時間と学力の関係を示しています。

(画像:『科学的根拠(エビデンス)が教える子どもの「すごい読書」』より)
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