「読書は長いほどいい」→大いなる誤解。全国学力テストの分析で判明した、「2時間以上」で成績が下がる"逆U字現象"の衝撃
しかし、自分で書いておいて何ではあるのですが、これはシンプルに説明するためのある意味での“ウソ”なのです。
全国学力テストには「読書は好きですか」という質問以外に、
という「平日の読書時間」の質問があります。
次の図は、読書活動の指標として「平日の読書時間」を採用して、全国学力テストの国語と算数の成績との関係を示したものです。知見の一般性を示すために、2023年度(上図)と2025年度(下図)の年分を示しています(2024年度実施調査には読書時間についての質問項目が含まれていませんでした)。
のちほど小学6年生のグラフも示しますが、まずは中学3年生のものだけをみてください。ご覧のとおり、「読書時間が長いほど、学力が高い」とはなっていません。関係が直線的でなく、曲線的です。
「10〜30分の読書」をピークに学力が落ちる
2023年度がわかりやすいのですが、国語も数学も、「まったくしない」から「10分以上、30分より少ない」まではぐんぐん学力が伸びているのですが、「10分以上、30分より少ない」をピークに、そこから先は読書時間が長くなればなるほど、学力が落ちています。
「2025年度の国語も「10分以上、30分より少ない」を超えると成績はほぼ伸びず、「2時間以上」では成績が下がっています。数学でも、2023年度のデータと同じく、「10分以上、30分より少ない」をピークにそこから成績が下がっています。
年度によって曲線の形はやや異なっているものの、読書時間が長くなるにつれて、学力などの成績がいったんは上がり、ピークを迎え、その後は下がっていく傾向が存在します。
このような現象を「逆U字現象」とか、「逆U字効果」と呼びます。
グラフを全体的に見ると、U字を逆にした形になっているからですね。日本人には「山型」といったほうがわかりやすいのですが、学術用語として世界で使われている「逆U字」という言葉を本書でも用いることにしておきましょう。


















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