「自分の気持ちに従おう」。人は気持ちを抑え込みすぎると、心の健康を損なうという。だからこの言葉は、感情を抑制して人間関係のバランスを取りがちな現代人にとって、正しく、やさしいアドバイスのように聞こえる。
しかし、この原則をそのまま投資に持ち込むと、思わぬ落とし穴が待っている。
投資の世界では、感情を切り捨てられる人ほど強いという説がある。実のところ、投資の成功者と呼ばれる人たちは、自分の感情を「意図的にそして徹底的に」切り捨てる努力をしているのだ。
現役投資アナリストとして富裕層と接してきた執筆者が、その著書『
投資家の母が20歳になった娘にどうしても伝えたいお金の話』の中で、人間心理を知り、感情をコントロールすることの大切さを解説する。
サイコパスが投資に向いている訳
他人の感情に共感できない人を一般的に“サイコパス”と呼ぶけれど、証券業界ではサイコパスは投資がうまいという通説がある。
サイコパスは投資をする際に、徹底的に感情を排除する傾向がある。利益が大きいからといって浮足立つことも、損をしたからといって落ち込むこともなく、とても理性的かつ合理的に決断を下す。
普通の人なら上昇局面でまわりが利益を出していると、焦りを感じて、欲を出してしまう。そういうときこそ、一歩下がって冷静に状況を見きわめ、落ち着かなければならないけれど、それが難しい。
株価が下がり続け、このままではマイナスになるかもしれないという恐怖に襲われたときも同じだ。
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