グーグルCEOは社員6万人の声を聞いている

階層を飛び越えた繋がりが透明性を生む

――外部に相談できる窓口を設けているとのことですが、そういった専門の会社があるのでしょうか。

グローバルでやっているところがあるかどうかは分かりませんが、アメリカにはそういう会社があります。

外部の窓口に相談された内容は、匿名化されて戻ってきます。私たちには、すべてが知らされるわけではありません。そのため、その情報をもとに社内で調査をするのは少々難しくなります。にもかかわらず、なぜ外のソースを使うかというと、社員にはいろいろな道があるんだよ、ということを示しているのです。

悩み事があっても社内で相談するのが怖いと思われてしまえば解決しません。匿名で安心して相談できる窓口もあるんだ、ということを示すために使っています。

――マネジメントチームのほうが誠実さを持っていない限り、現場からの告発があったとしても、握りつぶそうとするはずです。1番重要なのはマネージメントチームの誠実さでしょうか。

はい。それはもう議論の余地がありません。白黒を絶対にはっきりつけるべき、グレーゾーンゼロの領域でしょう。例えば、自分の経費精算をごまかすようなトップの人がいたら、絶対にそれよりも大きなことを隠しているに違いありません。人間としての誠実さが経営トップには求められます。

誠実さを維持して確認するトレーニングは必要

――若干不透明なことをやれば売り上げを増やせる、という悪魔のささやきは、必ずあると思います。これを避けるために、経営トップには何が求められますか。

グーグルでは、いくつかのことをしています。まず継続的なトレーニングを行っています。正しいことは何か、ユーザーにとって正しいことは何か、グーグラーにとって正しいことは何か、ということを、トレーニングの場でコンスタントに話し合っています。恐らくそういうことによって、誠実さをキープできるのではないか、という希望を持っています。

グーグルは、データドリブンの会社で、基盤にはサイエンスがあるということを常に言っています。その中には、正しいことは何なのか、を追求する姿勢も含まれているんじゃないかと思います。

私は個人的に思うのですが、悪いことをしてしまう人は、いったいなぜ悪いことをするのか、ということです。絶対にやる価値のないことなのに、なんでやるんだろう、と思ってしまいます。

例えば、100万ドルを着服する場合を想定しましょう。100万ドルあればいろいろなことができるとは思いますが、それによって失う自分のキャリアであるとか、その後の収入であるとか、あるいはそれによって恥ずかしい思いをする家族であるとか、そんなことを全部考えてみると、絶対にやる価値はないでしょう。そのあとの自分の人生がとんでもないものになってしまうということにさえ思い至れば、やらないはずなんです。絶対その意味がない。

常に正しいことは何なのかについて話し合いをする。それでも間違いをしてしまった社員は、失敗から学んでいくということがグーグルでは起こっていると思います。

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