グーグルは「アルファベット化」でこう変わる

エンジニアの「自由の王国」を守れるか

A Google search page is seen through a magnifying glass in this photo illustration taken in Berlin(August 11, 2015. REUTERS/Pawel Kopczynski)

西海岸のテクノロジー業界にとって、8月10日は非常に騒がしい1日となった。英語圏の人たちであれば誰もが最初に触れる「ABC」から始まる文字列の名前、「アルファベット」がウェブ上をひたすら駆け巡ったからだ。

ラリー・ペイジ氏らグーグルの創業者は、「Alphabet」という新会社を設立し、グーグルを傘下の企業の1つとしてしまう大きな組織変革を行った。現在上場されているグーグル株は自動的に同じ価値のAlphabet株に置き換えられ、グーグルはAlphabetの完全子会社となる。

ラリー・ペイジ氏はAlphabetのCEOに、セルゲイ・ブリン氏はプレジデント(社長)にそれぞれ就任。新たなグーグルのCEOには、これまで検索やブラウザのChrome事業を統括してきたサンダー・ピチャイ氏が就任することになる。

イノベーションとしてのインターネットの終わり

筆者は、グーグルの今回の改組から、「インターネットは、イノベーションの最も変化率の高い領域ではなくなった」というメッセージを受け取った。その点で、非常に感慨深いものを感じざるを得ない。

もちろんインターネットの終わりを意味するのではない。ただ、少なくとも先進国では、もう十分に生活に入り込み、切っては切り離せないものとなった。それを前提とした発展はまだまだ続くが、破壊的なイノベーションの現場ではなくなることを示唆してくれる。

日本のインターネットの父とも呼ばれる慶應義塾大学の村井純氏は、2000年ごろの大学の講義で「インターネットは空気のような存在になる」と繰り返してきた。また、現在はMIT Media Labの所長を務める伊藤穣一氏は、「Before InternetとAfter Internet」での時代の変化を強調する。

インターネットの先頭を走るグーグルの組織変更は、「インターネットが空気のよう」になり、「After Internet」の時代に完全に移行したことを象徴しているように感じる。

次ページAlphabetが目指すものとは?
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • ブックス・レビュー
  • ブルー・オーシャン教育戦略
  • 競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
  • 日本人が知らない古典の読み方
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
『会社四季報』新春号を先取り!<br>波乱相場にも強い大健闘企業

企業業績の拡大に急ブレーキがかかっている。世界景気の減速や原燃料費・人件費の高騰が重荷だ。そうした逆風下での大健闘企業は? 東洋経済最新予想を基に、上方修正、最高益更新、連続増収増益など6ランキングで有望企業を一挙紹介。