グーグルは「アルファベット化」でこう変わる エンジニアの「自由の王国」を守れるか

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では新たな持ち株会社として誕生したAlphabetは、何を目指しているのだろうか。

彼らが目指しているのは「インターネットの次」に生活に欠かせなくなるものにおいて、破壊的な革新を起こすことだ。

グーグルは前述の検索やChrome、Androidなどのインターネットプラットホームの企業だった。最も成長率の高いテクノロジー分野であるインターネットで、インターネットの使い方として「検索」を日常のものとし、広告から収益を上げる仕組みを作り上げてきた。

その一方で、グーグルは様々な企業買収や新規事業によって、その多角化も進めている。グーグルが提供するサービスを活用する自動運転などの技術開発もあれば、一見関係なさそうなヘルスケアやドローンによる物流への取り組みもある。また、Nestを買収し、スマートホーム分野のプロダクトを揃える動きも見せている。

Alphabet傘下に移る事業とは?

Alphabetの設立に寄せてラリー・ペイジ氏が寄せた書簡では、グーグルから切り出される企業の名前の一部が挙げられている。それによると、投資部門のGoogle VenturesやGoogle Capital、先端技術開発部門である X Labs、ドローン物流のWing、健康・医療技術のLife Science、分子生物学を研究するCalicoが、グーグルと並列のAlphabet傘下の企業となる。

Alphabetの設立は、前述の通りインターネットの次のイノベーションへのチャレンジという意味合いがある。逆に、グーグルにとっては、もう一度、インターネットにフォーカスして、スリムに集中できる環境が与えられた、とみることができる。

グーグルはAndroidの普及によるモバイルインターネット世界の構築と、Chromeによるブラウザやデバイスからのインターネットアクセス環境の整備、IoT分野への進出、人工知能や機械学習を生かし、インターネットをライフスタイルの細部にまでもたらす環境作りに取り組んでいる。そして、Appsなどのビジネスプラットホームや、収益源となる広告事業は、変革が求められる分野にもなっていた。

事業分野ごとの収益を明確化することは、マネジメントの強化にもつながるし、グーグルと、チャレンジのための投資をしている部門で、利益を相殺して、社内で投資を促進させやすくする環境を作ることもできる。

グーグルは、エンジニアを中心に作られた組織。株式公開時、業務外のプロジェクトに一定の時間を充てることができる「20%ルール」で有名になった2004年から2006年にかけて、20%ルールをきっかけとして立ち上げたプロジェクトは、Search、AdWords、Toolbar、News、Gmail、Maps、Earth、Analyticsなどがあり、いずれも現在のグーグルを代表する、あるいは収益を上げるプロジェクトになっている。

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