「CEO交代困難」「現金ため込み」の欠陥を直せ! 高市首相の"コストゼロ改革"で企業の投資環境は劇的改善へ
高市早苗首相は、組閣後初の閣議直後に、関係閣僚に対し経済対策の策定を指示した。これに基づき、11月28日には18.3兆円の補正予算が国会で成立した。
首相は、おなじく組閣直後に成長戦略会議の初会合を主宰し、17の主要産業および技術分野において成長を押し上げ、サプライチェーンを含む経済安全保障上のリスクを低減することを狙いとして、戦略の具体化と官民投資ロードマップの策定を閣僚に命じた。
また、コーポレートガバナンス・コードを改訂する方向が示された後、参院予算委員会で「企業が経営資源を株主還元のみならず、働いている方々も含めて適切に配分するということを促していく」と述べ、それによって消費と税収の増加という好循環を生み出すという考えを示した。
上場企業は現金をため込み続けている
迅速なリーダーシップの発揮は歓迎すべきことだ。しかし、これまでに提案されている経済対策のほぼすべてが、多額の税金を必要とする。さらに、深刻な人手不足がすでに賃金を押し上げている状況で、ガバナンス・コードに「賃上げ」を明示的に加えれば、上場企業を本質的な問題から目を逸らさせるおそれがある。
本質的な問題とは、多くの上場企業が現金をため込み続けており、何らかの方法でもっと生産的に支出する必要があるということだ。さもなければ、このため込まれた現金は消費と株価の両方を押し下げ続けるだけだ。
一方、上場企業が、根源的な使命である「より速く成長するための投資」を増やせば、それは労働者、株主、そして日本社会全体に大きな利益をもたらすだろう。
この「好循環」においては、まず利益という「パイ」のサイズが拡大し、その結果、主要なステークホルダーと分かち合う余地が増える。これが、数多の企業が持続的に賃上げを決める、唯一かつ現実的な機序だ。なぜなら、収益や利益が縮小している状況では、企業にとって賃上げは極めて難しいからだ。



















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