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帝国を降りてゆくアメリカ、覇権国なき空白の危うさ。想定外のショックに脆弱な世界経済

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なぜ1929年のアメリカ大恐慌が世界大恐慌に発展し、第2次世界大戦に至ったのか。グローバルな経済ショックが起きたときには、経済を安定させるための機能を覇権国が果たす。ところが当時、覇権国イギリスは第1次世界大戦で国力を失ったため役割を果たせず、新興のアメリカはその意思を持たなかった。

キンドルバーガーは覇権国が果たすべき役割を5つ挙げた。1つ目の「国際的に開かれた財市場の維持」はまさにトランプ大統領が相互関税で潰した。今後、重要になるのが5つ目の「グローバル危機時の最後の貸し手機能」だ。

リーマンショック後やコロナ禍に、FRB(米連邦準備制度理事会)は各国の中央銀行と通貨スワップ協定を結び、市場が求めるドルを供給した。今トランプ政権下でグローバル危機が起きたら、ドルを借りられるのか。

タダで貸しはしない

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