学校帰りの学生、遅めの昼食をとるビジネスマン、カップル、夫婦、外国人、ひとりで来るおばあちゃん、おじいちゃん。客層は実に幅広い。
はかたやのラーメンは特別な食事ではなく、地域の人々の日常に溶け込む一杯なのだ。
「しっかりしてよ、毎日食べに行きたいんやけん」
営業統括部長の野村一美さんは言う。
「社員である私もびっくりするんです。290円ってすごいなって。コーヒーより、ケーキより安くラーメンが食べられる」
多くのラーメン店が値上げするなか、創業以来の価格を維持していることが、根強い人気につながっているという。
「お客様から『ありがとう』と感謝の電話をいただくこともあります。一方で、『しっかりしてよ、毎日食べに行きたいんやけん』と愛情のこもった厳しいご意見もいただきます。そう言っていただけるのが、ありがたいですよね」
「子どもたちも300円握りしめて食べに来てくれますよ。波はあるけれど、一日平均で1200人のお客様に利用していただいているんです」 カウンター26席のコンパクトなお店で、1200人もの客をどのように迎えているのだろうか。
「調理工程がシンプルなので、専門的な技術を持つ職人でなくても調理が可能なんです。それが価格を抑えることにもつながっています。麺を茹でてる間にどんぶりの準備もして、お客さんにすぐ提供できるようにコの字カウンターにするなど、オペレーションを効率化しています」と野村さん。



















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