
博多豚骨ラーメンのお店に行って「麺かため」で注文する。横浜家系ラーメンのお店に行って「麺かため、味濃いめ」で注文する。こういう人は結構多いのではないだろうか。かくいう私も昔はそうだった。
では「なぜそうするのか」と聞かれたらどう答えるだろうか。これが難しい。
どのラーメン店においても、すべてデフォルトのまま、つまり「普通」で注文すれば店のベストの一杯が出てくるはずだ。一回も店のベストの味を食べずに、一杯のバランスを崩してまで「麺かため」や「味濃いめ」を注文してしまう心理は、昔から不思議だった。
前提として「麺かため」「味濃いめ」を否定しているわけではない。このニーズは大きく、お客さんが自分の好みにカスタマイズできることは、博多豚骨ラーメンや横浜家系ラーメンのお店の大きな魅力であることは間違いないだろう。「ニンニク入れますか?」の二郎系ラーメンも同様だ。
今回の記事はそういったことを否定しているのではなく、デフォルトのラーメンを食べずに、なぜ人は「麺かため」や「味濃いめ」を注文してしまうのかという現象について検証したい。
“らしさ”や文化を楽しむという意味での「麺かため」
まずは博多豚骨ラーメンの店主の意見を聞いていこう。
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