「ラーメン1杯290円」で49年…24時間いつも満席「街の日常を支える一杯」を提供するローカルチェーンが明かす《値上げしない覚悟》と効率の極意

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麺をすくい上げ、ズズズッ、ズズズッとすする。豚骨の香りがふわっと鼻に抜ける。まるで、そうめんをすする感覚だ。スープの絡んだ細麺をサッと噛んで飲み込んでいく。喉越しの良い細麺はリズムを生み出す。

チャーシュー
薄切りのチャーシュー(筆者撮影)

薄切りの柔らかなチャーシューは、麺やスープを邪魔しない。豚のうまみを感じて、また麺に向かう。ほどよく盛られた青ネギは、スープと麺のアクセント。多くの客が添えていた紅生姜と白ごまを加えると、味に奥行きが生まれる。

シンプルな一杯だからこそ、自分好みの食べ方を探究することができそうだ。止まることなく、一気に食べ終えた。

替え玉と、多様な客層

静かな店内のあちらこちらから、ズズズッ、ズズズッと音が聞こえてくる。
BGMのない店内に響くのは、スタッフの元気な声とカウンターに肩を並べる客たちが、黙々とラーメンに向かう音。ここなら遠慮することなく、思いっきり麺をすすれる。

ラーメンに続き、チャーシュー麺やラーメン定食を頼む客もいた。


ラーメン定食
ライス・餃子4つ・ラーメンがセットになった「ラーメン定食」は580円(筆者撮影)


一番驚いたのは、ほとんどの客が替え玉を注文していたことだ。100円で追加できる替え玉は、大盛りではなく「麺が伸びる前に美味しい状態で食べられる」スタイルとして定着している。

ささっと一杯目を食べ終え、「替え玉」という声が上がる。

もうひとつ気になったのは、多くのひとが「カタで」と硬めの麺を希望していたことだ。硬めに茹で上げた麺「カタ」は、15秒で茹で上がるそうだ。

出張や仕事の隙間時間にサッと立ち寄れるのもうれしい。


学生
食べ盛りの学生は替え玉を3杯。調味料棚に立てかけたスマホで動画を見ながら、ラーメンをすすっていた(筆者撮影)

黙々とラーメンを食べて出ていくひと、スマホを見ながら一杯を味わうひと。通路を挟んで向かいのカウンターに座ったおばあちゃんと目が合うとニコッと笑ってくれた。食券を受け取りに来たスタッフに慣れた感じで「やわで」と声をかけている。


調味料
隣に並んだ外国人ふたりは慣れた手つきで、紅生姜と白ごまをたっぷりかけていた(筆者撮影)
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