麺をすくい上げ、ズズズッ、ズズズッとすする。豚骨の香りがふわっと鼻に抜ける。まるで、そうめんをすする感覚だ。スープの絡んだ細麺をサッと噛んで飲み込んでいく。喉越しの良い細麺はリズムを生み出す。
薄切りの柔らかなチャーシューは、麺やスープを邪魔しない。豚のうまみを感じて、また麺に向かう。ほどよく盛られた青ネギは、スープと麺のアクセント。多くの客が添えていた紅生姜と白ごまを加えると、味に奥行きが生まれる。 シンプルな一杯だからこそ、自分好みの食べ方を探究することができそうだ。止まることなく、一気に食べ終えた。
替え玉と、多様な客層
静かな店内のあちらこちらから、ズズズッ、ズズズッと音が聞こえてくる。 BGMのない店内に響くのは、スタッフの元気な声とカウンターに肩を並べる客たちが、黙々とラーメンに向かう音。ここなら遠慮することなく、思いっきり麺をすすれる。
ラーメンに続き、チャーシュー麺やラーメン定食を頼む客もいた。
一番驚いたのは、ほとんどの客が替え玉を注文していたことだ。100円で追加できる替え玉は、大盛りではなく「麺が伸びる前に美味しい状態で食べられる」スタイルとして定着している。
ささっと一杯目を食べ終え、「替え玉」という声が上がる。
もうひとつ気になったのは、多くのひとが「カタで」と硬めの麺を希望していたことだ。硬めに茹で上げた麺「カタ」は、15秒で茹で上がるそうだ。
出張や仕事の隙間時間にサッと立ち寄れるのもうれしい。
黙々とラーメンを食べて出ていくひと、スマホを見ながら一杯を味わうひと。通路を挟んで向かいのカウンターに座ったおばあちゃんと目が合うとニコッと笑ってくれた。食券を受け取りに来たスタッフに慣れた感じで「やわで」と声をかけている。



















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