「ひらがなも書けない新人」に現場は激怒 人手不足でも"学歴フィルター厳格化"に踏み切った企業の本音

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フランスでは、グランゼコール(一般の大学とは区別される高等教育機関)の卒業生はほぼ自動的に官僚・経営幹部になります。また、全国の学士号取得者の61%が修士課程に進学しています。

他の多くのヨーロッパ諸国や発展途上国でも、国内の国立大学出身者や英米への留学経験者がエリート層を形成しています。

一方、アメリカでは、転職によるリカバリーが容易で、学歴よりも職歴の方が重視されています。ただ、大学ランク別の就職説明会が幅広く行われており、学歴が軽視されているわけではありません。

これらの国と比較すると、日本は職業訓練に重きを置いているドイツとともに、学歴をあまり重視しない社会だと言えます。個人的には、博士がひどく冷遇されている実態も踏まえると、「日本は世界一の非学歴社会」だと考えます。

歴史を振り返っても学歴軽視の傾向に

世界各国との比較だけではなく、歴史を紐解いても、わが国では学歴軽視の傾向が強まっています。

明治から戦前まで「いい学歴を得ること」が官僚・教員・軍人といった「(当時の)いい職業に就くこと」に直結しました。学歴は、立身出世の最大の条件だったのです。

戦後、大学進学率の上昇とともに、大学卒の価値は低下しました。それでも1970年代まで、多くの大企業が求人を行う大学を指定してエントリーを受け付ける指定校制度を実施していましたが、1991年にソニーが「学歴不問採用」を公言するなど制度を取り止めました。

近年は、学歴フィルターが「差別だ」とネットで叩かれるようになっており、「学歴重視はよくないこと」というのが、国民の共通認識になっているように見受けます。学歴フィルターの存在を公言している企業は皆無でしょう。

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