「酒+脂肪+糖質」でトリプルダメージ。年末の暴飲暴食から"肝臓と膵臓を守る"コツ。「やってしまった」翌日はどう過ごす?【医師が解説】

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活性酸素やアセトアルデヒドは一方で、肝細胞やミトコンドリアを傷つけ、炎症と線維化(硬くなること)を進めていきます。このような変化が積み重なると、<脂肪肝→アルコール性肝炎→肝硬変→肝がん>という“負の階段”を上っていくことになります。

ほかにも、アルコールは腸内細菌叢を乱して腸のバリア機能を弱めるため、腸内細菌由来の毒素成分、エンドトキシンが門脈から肝臓へと流れ込み、炎症を加速させることもわかってきました。

アルコールをよく飲む人に脂肪肝が生じるのは、アルコールには脂肪の分解を抑制し、肝臓に中性脂肪の蓄積を促す働きがあるからです。そのため脂肪肝というと、アルコールが主たる原因と思われがちですが、実際には、糖尿病や肥満が主たる原因となるケースも少なくありません。

後者のタイプは、体重の割にお腹だけぽっこり出ている人や、BMI(肥満度)が25を超えている人に多く、世界のさまざまな研究結果を統合したデータによると、成人のおよそ4人に1人にこのタイプの脂肪肝があると推定されています。

コース料理・飲み放題の問題

忘年会シーズンはコース料理を出されること多く、どうしても揚げ物など油をたくさん使った料理が多くなりがち。こうした食生活が続けば当然ながらエネルギー過多となり、脂肪肝のリスクを高めます。

また飲み放題などでは、甘いチューハイやカクテルなどをいつも以上に飲んでしまう人も多いかもしれません。砂糖や果糖ブドウ糖液糖を多く含む飲み物は、脂肪肝の大きな原因となります。

果汁100%ジュースなども同様で、実は、海外の報告によると、砂糖入り飲料や果汁飲料をたくさん飲む人は、そうでない人に比べて脂肪肝を発症するリスクが高くなる傾向があることがわかっています。

そうなると「果物は大丈夫?」と気になりますが、こちらは食物繊維が豊富で果糖の吸収が緩やかなため、デザートで食べるぐらいの量であれば問題になりにくいとされています。

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