北海道でのウイスキー製造からコンビニポテチまで——ホリエモンが食と酒で挑戦し続ける理由。世界で勝つための「高級と大衆」2つのブランド論

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日本酒
(画像:kouta / PIXTA)
堀江貴文氏が、いま情熱を注いでいる事業のひとつが「酒づくり」だ。国産のウイスキーや日本酒を世界に広めるべく、本気で挑戦を進めているという。テクノロジーや宇宙事業のイメージが強い堀江氏が、なぜ酒づくりにここまで心を燃やすのか――。
今回は著書『僕が料理をする理由〜AI時代を自由に生きる40の視点〜』の中から一部を編集して紹介します。
【あわせて読む】「外食=不健康」「子どもの食事=手作りが正解」はただの思い込み——。堀江貴文「料理は最高のエンタメ」、食への飽くなき探究の背景にあるもの

ほぼ毎日飲んでいるハイボール

50歳のアニバーサリーイヤーに、僕は〈世界一美味しいハイボール〉を飲んだ。

西麻布の老舗酒店「長野屋」のオーナーの林憲一郎さんがプレゼントしてくれたのは、「Pinch by HAIG&HAIG」の50年オールドボトル。

瓶内熟成には諸説あるものの、ウイスキーの10年ものは、だいたい人間で言うところの20歳くらいに相当するらしい。

30〜40年くらいになってくると還暦を過ぎて、これまで隠されていた桃とかパッションフルーツのような香りが顔を出してくる。

このボトルはその年月をはるかに過ぎているのだが、まだ力強さが残っていた。

酒はなんでも好きだが、特に日常的に飲んでいるのがハイボールだ。20代の頃からの付き合いで、今もほぼ毎日飲んでいる。

ハイボールというと、日本独自のカクテルのように思われがちだが、起源は19世紀のイギリス・パブ文化にあると言われている。ウイスキーを炭酸で割るというシンプルな飲み方だが、日本ではそれが独自の進化を遂げ、いまや「Japanese Highball」として世界でも知られ始めている。

実際、海外のバーで「ハイボール」と頼んでも通じない。たいてい「Whiskey & Soda」と注文すると、ウイスキーのショットと炭酸水が別々に出てきて、自分で作るスタイルになる。

一方、日本では居酒屋からコンビニまで、すでに完璧なバランスで仕上げられたハイボールが提供される。近年では、原酒不足を背景に、ジムビームのような熟成期間が短めのバーボンを使ったハイボールが各社から登場している。さらに健康志向や糖質制限の流れもあって、ハイボールはビールに次ぐ巨大な市場を形成しつつある。

そんなわけで、僕が手がけている「WAGYUMAFIA」でも、どうしてもオリジナルのハイボールを作りたかった。

そのヒントになったのが、大学時代に飲んだ「カルピスウォーター」だった。「カルピスウォーター」が誕生したのは1991年。この年といえば、新宿に新しい都庁ができ、ソビエト連邦が崩壊するなど、日本も世界も激動の年だった。

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