北海道でのウイスキー製造からコンビニポテチまで——ホリエモンが食と酒で挑戦し続ける理由。世界で勝つための「高級と大衆」2つのブランド論

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街にはコンビニや自販機が急増し、瓶入りカルピスは時代の波に押されていた。そこに登場したのが、最適な濃度で、いつでもどこでも飲める「カルピスウォーター」だった。

あのときの衝撃は今でも覚えている。「カルピスって、こんなにうまかったのか」と。子どもの頃のカルピスといえば、瓶に入った原液を水で薄めて飲むものだった。日によって濃かったり、薄かったりがあるのは当然。その中で「最適解」を出された気分だった。

僕は、あの〈黄金比のバランス〉をハイボールで再現したかった。

モルトウイスキーをベースに、グレーンウイスキーをブレンドし、ミズナラの樽香をまとわせる。アルコール度数は9パーセント。パッケージは、冷蔵庫に並んでいたときにテンションが上がるよう、シンプルでシックなデザインにした。

何度も試作を繰り返し、ようやく完成した1本税込み1100円の高級ハイボールは、発売と同時に飛ぶように売れた。

真の国産ウイスキーを世界に

そして今、僕はさらに新たな挑戦を始めている。

昨今、ジャパニーズウイスキーは世界でもブームになっている。しかし、その原料は海外産が多いのは事実。ジャパニーズウイスキーだというのに、せっかくの日本の環境が生かせているとは言い難い。

そこで設立したのが北海道・大樹町で立ち上げたウイスキー蒸留所「Taiki Cosmic Glen Distillery」だ。2024年に本格始動し、僕は取締役として参画している。

大樹町は酪農の町なので、飼料用のデントコーンを昔から栽培している。それを原料にしたウイスキーを作る構想だ。

十勝地方を流れる清らかな歴舟川の水を使い、地元で採取したピートを焚く。そして将来的にはミズナラの樽を使って熟成させる。つまり、素材のすべてを大樹町産でまかなう〈真の国産ウイスキー〉だ。

まさに、以前仲間と旅したスコットランドのアイラ島やアイスランドの蒸留所で見たような「土地の記憶を抱いたウイスキー」を、日本で実現しようとしている。

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