北海道でのウイスキー製造からコンビニポテチまで——ホリエモンが食と酒で挑戦し続ける理由。世界で勝つための「高級と大衆」2つのブランド論

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もちろん、ウイスキーづくりには時間がかかる。2025年に仕込んだ原酒が、ようやく世に出るのは2028年の秋になる予定だ。すでにたくさんの仲間がこのプロジェクトに参加してくれていて、出来上がりを楽しみにしてくれている。

僕の夢は、この大樹町産ウイスキーでつくったハイボールを、世界中のバーやレストランで味わってもらうこと。原料も製法も香りも、すべてに意味があり、物語がある。寿司やラーメンのように、ハイボールも日本発の文化として世界に広がっていけばいいと思う。

海外が気づき始めた「日本酒の価値」

ウイスキーだけでなく、日本酒も海外にもっと広めていきたいと思っている。

2013年に「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されて以来、日本酒が海外でも高く評価されるようになった。

僕が知っている〈日本酒ブーム〉の最初は、90年代はじめに漫画の『夏子の酒』(尾瀬あきら作)が流行ったことだ。ちょうど大学生のときで、当時の先輩に美味しいお酒をたくさん飲ませてもらった記憶がある。

その後、世界で最も権威のあるワイン審査会のひとつであるIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)に2007年にSAKE部門が開設されるといった、グローバルな流れも後押しになり、今では日本酒の輸出額は434億円にもなる(財務省「貿易統計」2024年より)。

WAGYUMAFIAのプロジェクトをやっているときも、最高級の和牛に合わせるお酒はやはり日本酒が合うとわかり、酒蔵をまわり始めた。

そこで気づいたのは「日本酒がとても安い」ということだ。

四合瓶の純米大吟醸酒で、かつ最高級のものでもせいぜい5000円。しかも小売価格で。それなら卸値は推して知るべしである。

日本酒に今必要なのは「ブランドビジネス」だ。だからこそ、僕は自分たちの手で徹底的にこだわり抜いた日本酒を造りたいと思った。それが僕のオンラインサロン発の純米大吟醸「想定内」「想定外」の開発へとつながっていく。

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