プレイングマネジャーが管理職として成功する条件 外資系マネジャーが説く「リーダーシップの本質」とは

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そろえるべきチームのベクトルの1つ目として著者が挙げている「視線のベクトル」とは、チームメンバー全員が同じ方向を見て仕事をしている状態にすること。

会社の事業は、「会社→事業部→部→メンバー」といった順で役割が成り立っており、そうした流れのもとで各人の仕事が決まっている。そのため「視線のベクトル」をそろえるためには、こうした構造においてのチームの位置付けを理解し、目指すべき方法を正しく共有することが求められるのだ。

チームの役割を「なに」ではなく「なぜ」で伝える

では、どうすればいいのだろう?

「視線のベクトル」をそろえるためにメンバーと共有すべきことは、「私たちは、何をしているのか」ではありません。共有すべきことは、「私たちは、なぜこの仕事をしているのか」です。すなわち、チームが存在する目的、あるいはチームの存在意義です。(36ページより)

製造設備保守チームの場合なら、「私たちの役割は、設備の定期点検と必要な修理です」と伝えたところで意味はない。いうまでもなく、わかりきったことだからだ。そうではなく、本当に伝えるべきは「なぜ、この仕事をしているのか」という“仕事の”目的。

たとえば「私たちの役割は、設備のトラブルを未然に防ぎ、生産が止まらないようにすることです。つまり私たちは、工場全体の安定した生産を支える重要な存在なのです」と伝えれば、「工場の安定した生産を支える」というチームの提供価値の重要性をメンバーに伝えることができる。

こうした点をチームでしっかりと共有できれば、仕事に対するメンバーの意識はそろい始めるのである。

上質なチーム運営を実現するためには、「視線のベクトル」をそろえるだけでなく「行動のベクトル」をそろえることも必要。それが「行動原則」だそうだ。著者によれば行動原則とは、チームの役割に最大の成果で応えるための、考え方と行動の原則だという。

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