プレイングマネジャーが管理職として成功する条件 外資系マネジャーが説く「リーダーシップの本質」とは

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しかし「私たち」という仲間意識(同視点とも表現できそうだ)が前提としてあるなら、必然的に共感が生まれることになる。

また、「皆さん」という言葉にも注意すべきだという。

「厳しい環境で大変だと思いますが、皆さん、頑張ってください」。深く考えずにこのように言ってしまうと、「はい、課長さんこそもっと頑張ってくださいね」と返されてしまいます。上司である「私」と部下である「皆さん」を区別しているからです。
「厳しい環境ですが、力を合わせて私たちで乗り越えようではありませんか」。この方が、「そうだ、頑張りましょう!」という反応が返ってきやすくなります。ここで部下がそう反応してくれたのであれば、それは自分の小さなリーダーシップが発揮されたことになります。(32ページより)

この最後の部分は、とても重要なポイントではないだろうか。リーダーシップについて考えるときには、とかく「大きなことをやろう」と思ってしまいたくなるものだ。もちろんそれも無駄ではないだろうが、まず先に重視すべきは、「日常的で、小さなリーダーシップ」であるはずだ。

同じ目線で同じものを見る

部下は上司の日常を、細かく見ているものだ。そして、さりげない行動や気遣いが、上司に対するイメージを決定づけもするだろう。だからこそ、“同じ目線で同じものを見ている”感覚も忘れるべきではない。

この点については、著者も次のように述べている。

本来、上司と部下は、お互いが向き合っている「私」と「あなた」の関係にはありません。横に並んで一緒に顧客や目標に視線を向けている「私たち」の関係にあるべきです。それが、ベクトルをそろえるためのスタートです。(32〜33ページより)
P33図版
(画像:『新 管理職1年目の教科書〔リーダーシップ編〕』より)

たしかに、こういう大前提がないと、上司は無意識のうちに「自分のほうを見てくれ」というオーラを出してしまうかもしれない。すると部下は、上司のほうばかりを意識して仕事をするようになるだろう。

それでは、心地よい関係性を築くことが難しくなっても当然だ。また、これは上司と部下だけでなく、人間関係全般にもあてはまることであると解釈することもできる。つまり、「相手の立場になってみる」ことはやはり大切なのだ。

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