30年選手、F-15Jが現役で戦えるワケ

航空自衛隊で長年活躍する戦闘機の秘密

平成23(2011)年度は全体で425回あり、このうち南西方面は40%弱の166回でした。しかし、平成25(2013)年度は、810回のうち402回、平成26(2014)年度は943回のうち468回と、ほぼ半数を占めるようになってきています。

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防衛省は、こうした傾向が見えてきたことから戦闘機部隊の再編を計画しました。まず2009年、F-4EJ飛行隊1個隊配備だった那覇基地の配備機種をF-15へ変更しました。

2016年3月末までには別のF-15飛行隊が移駐して、那覇基地の戦闘機部隊はF-15による2個飛行隊態勢になります。また、警戒監視力を高めるため、2014年4月にE-2C空中早期警戒(AEW)機による第603飛行隊を新編して、那覇基地に配置しています。これらにより、南西方面の防空態勢の強化が行われています。

なお、緊急発進の対象となる中国機の行動範囲はさほど広くなく、多くが沖縄の北側での飛行に集中しており、ときには沖縄の南西側を通過していく、というものです。このように、行動範囲が狭いのは、戦闘機が多いためでしょう。とはいえ、もちろん新型輸送機を改造した情報収集機や、爆撃機などが姿を見せることもあります。

F-15Cの改修を進めるアメリカ空軍

形態Ⅱ型(統合電子戦装置搭載改修機)の重要な要素は、統合電子戦装置の搭載である。空気取り入れ口ダクトの側面に、比較的大きなアンテナ収容フェアリングが付いていることで、形態Ⅱ型と識別できる。(写真:赤塚 聡)

太平洋地域でF-15の制空戦闘機型を装備しているのは、航空自衛隊とアメリカ空軍ですが、アメリカ空軍も今、F-15Cの能力向上を進めています。

その主眼のひとつは、最新型のアクティブ電子走査アレイ(AESA)レーダーの装備ですが、併せて戦術電子戦システム(TEWS)のアップグレードも決まりました。

この情報は、10月に刊行したサイエンス・アイ新書『F-15Jの科学』の校了後に入ったため、同書には盛り込めなかったのですが、新しいシステムでは、デジタル式装置の導入により探知や妨害などの機能が統合化されます。これは、「イーグル受動/能動警戒生存システム(EPAWSS)」と呼ばれるものです。このEPAWSSの装備により「アメリカ空軍のF-15Cは、2040年代以降も第一線作戦機としての防御電子戦機能を維持し続けられる」としています。

そしてアメリカは、日米の制空型イーグルの「同等化」を計画しています。現在のTEWSは、日本に技術が開示されなかったため、ライセンス生産機である航空自衛隊向けのF-15J/DJには装備できず、日本が独自に同種のものを開発して装備することとなりました。しかし、EPAWSSは、日本が希望すれば供与を可能にする考えがあるといいます。日本のF-15J/DJ戦力は独自の近代化改修に加えて、このEPAWSSにより、さらに能力を向上できる可能性が出ているのです。こういったことにより、F-15Jはまだまだ第一線で戦っていけるのです。

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