少し連絡が遅れただけで、「なんで返信が遅くなったの?」と聞いてくる。外で食事をしていても、あやかがふと視線を逸らした先に男性がいると、「今、あの男のことを見たでしょう」と言ってくる。
あるとき、あやかの大学時代のサークルの先輩(男性)が、今の仕事を辞めて地方の実家の家業を継ぐために引っ越しをすることになった。
幹事を務める男性から、「来週末に彼の送別会をする」という連絡が入った。その週末は公開になったばかりの映画をけんじと観にいく約束をしていたのだが、お世話になった先輩だったし、大学時代の友達にも会いたかったので、「それを、違う日にしてほしい」と連絡を入れた。
すると、けんじからすぐにLINEの返信がきた。
「その男とは、どういう関係? まさか大学時代に付き合っていたとか、ないよね? どうして俺よりその男のほうを優先するの?」
あやかは、こう言われるのをなんとなく予想していた。けんじは、昔の男友達や会社の男性の話をすると、急に機嫌が悪くなるのだ。
心配と束縛が度を越している
最初のうちは、“これも、私のことを愛してくれているからだろう”と思っていたのだが、真剣交際に入ってからというもの、その心配と束縛が度を越しているように感じるようになった。
そこで「やっぱり真剣交際を終了させようか」と悩んでいた矢先、けんじのほうから、「交際終了」の連絡がきた。「僕を一番に考えていない。そんな人とは、結婚しても意味がないと思いました」。
けんじのように、“愛されている実感”を常に確認し続けないと不安になる人は少なくない。 こういうタイプは愛情の深さではなく、自分の価値を相手の反応で測っているため、相手の行動が期待と少しでも違うと、“裏切られた”と感じ、それが怒りに変わる。
その根底にあるのは、“見捨てられることの不安”と、“自己肯定感の低さ”だ。
では、婚活でこうした“怒りのスイッチを持つ人”をどう見抜けばいいのだろうか。



















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