驚いて理由を尋ねるLINEを送ると、「たびたび自分の言動を否定されるので、これから先もそれが続くと思うと苦痛になりました」という。
ゆかりは意味がわかならかったので、「たとえばどんなときに、そう感じるの?」と尋ねると、「この間の家電量販店で、洗濯機を見ていたときの会話を思い出してみて」と返信がきた。
ことの顛末は、こうだった。
まさとが「ドラム式は高いから縦型で十分だよ」と言ったので、ゆかりは軽く笑って「えー? そんなケチくさいなぁ。私が奮発して自分のお金で買おうか」と言った。
それが彼の中では、“見下された”という感情につながったのだという。「キミは悪気がないのかもしれないけど、そのほかにも僕を軽く扱っている言動がたくさんあるんだよ」。
このやり取りのあと一度会って話をしたが、まさとの婚約破棄をする気持ちは変わらなかった。ゆかリはこのことを筆者に伝えながら、言った。
「こちらはまったく悪気がないのに、相手を傷つけてしまうこともあるのですね。ただ、そこも人それぞれで『何言ってるんだよ。失礼だな』と、その場で軽く笑って受け流す男性もいると思うんです。まさとさんは神経質だし、私の言葉に過剰反応をする。婚約解消になってよかったです」
穏やかな人ほど怒りを外に出さず、心の中で膨らませてしまう。自分の意見が尊重されない、自分のことをバカにした。それを“圧”だと感じた瞬間、理屈では抑えられないほど怒りが爆発し、拒絶反応を示してしまうのだろう。
愛情が一転して怒りに変わる
あやか(36歳・仮名)は、けんじ(38歳・仮名)と仮交際に入り、すぐに意気投合した。けんじは情熱的でまめに連絡をくれ、「運命の人に出会った気がする」と早々と真剣交際を申し込んできたので、あやかもそれを快諾した。
しかし、真剣交際に入ってから、気になるところが出てきた。



















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