老後の蓄えを狙う「オレオレ詐欺」45歳首謀者がタワマンの隠れ家で"何者か"に襲われ卒倒、逮捕 『子供部屋同盟』2章④

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芥川賞作家✕東洋経済オンラインの「異色コラボ」連載小説!
「子供部屋おじさん」が、あなたの復讐、請け負います。
パワハラ、詐欺、痴漢冤罪(えんざい)、書店万引き――。裁かれぬ現代社会の悪を、人知れず断罪する者たちがいた。ダークウェブに潜む謎の復讐代行組織「子供部屋同盟」。
社会から疎外された「子供部屋おじさん」たちが、その特異なスキルを武器に、歪んだ正義を執行する。
芥川賞作家・高橋弘希が放つ痛快無比の世直しエンタメ『子供部屋同盟』より、第2章を4日に分けて毎日お届けします(今回は4日目)。

カエル型ドローンによる侵入

午後二時、健人は指示された通り、子供部屋同盟にアクセスした。子供テレビに映されたのは、どこかのビルの屋上だった。

子供部屋同盟
『子供部屋同盟』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

冬晴れの青空の下、コンクリートの地面に小型の機体が置いてある。

おそらくドローンだが、その造形は異様だ。

というのも、見た目は青いカエルだった。

頭部では紫色の目玉が点滅を繰り返し、手脚では四基の小さなプロペラがゆっくり回転している。カエル型ドローンとでも言えばいいのだろうか。

ドローンはこれから上昇するのかと思ったが、逆だった。四つの脚が力を溜めるように縮み、腹が地面につきそうになる。

次の瞬間、カエルは画面から消えた。

強力なバネで弾かれるようにして、画面外まで跳び上がったのだ。

カメラ視点が切り替わる。上空から見た、都心の高層ビル群が映されている。跳躍したドローン視点の映像だ。

と、ドローンは急加速をして飛行を始めた。

高層ビル群や、高速道路や、鉄道や河川の映像が、瞬く間に後方へと流れていく。天空のジェットコースターにでも乗っているかのような映像だ。

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