「自分でやったほうが早い」「いい結果を出せると思えない」…"部下に仕事を任せない"上司がしがちな"言い訳"とその裏側にある心理
しかし、「今日だけは絶対にミスしないで」と祈るほど大事なときに、思わぬミスが起きてしまったのです。ルールで「許可なく触らない」と決められていた業務用サーバーを、メンバーが自己判断で操作してしまい、重要なディレクトリを誤って削除してしまいました。
その結果、200以上の業務処理が一斉に異常終了……。
パソコンに映った真っ赤な警告画面を見て、私は完全に自信をなくしました。背に腹は代えられなくなった私は、思い切って考え方を180度改めました。
現場のことを一番知っているのは、紛れもなくメンバーです。
ですから、「成果を出してくれそうな適任者を探し、いなければ指示を出す」という考え方を捨て、まずはプロジェクトにおいてメンバーと「目指すべき目標」を徹底的に共有することにしました。
そして、その目標達成のためにメンバー自身が考えて行動し、メンバー同士で対話できる環境を整えることに注力しました。
言わば、「コントロール」から「エンパワーメント」へのマネジメントの大転換を図り、「人への投資」「設備への投資」に本格的に焦点を当てたわけです。
「人への投資」がチームを強くする
最初は、私の急な方針転換にメンバーたちは戸惑っていました。
しかし、日常的に対話を重ね、ざっくばらんに意見を交わし合える場を作り続けたことで、次第にメンバーの仕事への姿勢が変わっていきました。
3カ月もすると、その変化は「個の成長」という形で成果にも現れてきました。そして6カ月後には、クライアントのマルチベンダーの中で、品質や納期、クライアントとの協働関係において、なんとトップの成績を収めるに至ったのです。
「任せられる人がいない」というのは、本当にウソです。「人に任せられるリーダーがいない」というだけのこと。
こんな私でさえ、どん底から「任せられる人を育てる」ことにシフトすることができました。だから、あなたも、決して今からでも遅くありません。まずはメンバーを信じ、初期投資に徹しましょう。
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