「ホストクラブに通うために」路上に立つ少女の姿もーー。「低年齢化」が進む東京・歌舞伎町ルポ
「パパ活」やデリヘル、ソープランドで働いたこともあるが嫌な体験をすることがある。パパ活で、相手が払うといっていた額を払わずに逃げたことがあった。
またある時は、パパ活でホテルに入るとナイフを突きつけられ「お金は払わない」と脅されたこともあった。この時は最終的にはお金を払わせ、けがもなかったが、こうした嫌なことは少なくない。
その点、風俗店は「安心で、安全」(同)。多い時で、月60万円ほど稼ぐ。
だが、1年ほど前に、風俗で働いていることが親にバレ、家を閉め出された。以来、一人暮らしを始め、親とは連絡を取っていない。LINEはブロックされていないが、連絡を取るつもりはない、という。
「風俗をやめる気もないし、ホストに行かないっていう選択肢もないです」(同)
明日のことは考えない。嫌なことがあっても、明日はくるからだ、という。
「毎日が過ごせればいい。だから、ここ(歌舞伎町)は楽しいです」(同)
春儚さんだけではない。今も、歌舞伎町には、全国から若者たちが集まる。歌舞伎町の新宿東宝ビル横には、いわゆる「トー横キッズ」たちがたむろしている。路上売春をしていると見られる女性もいる。
「最近は、明らかに未成年が増えています」
そう話すのは、歌舞伎町に事務所を構える公益社団法人「日本駆け込み寺」代表理事の清水葵さん(26)。
「歌舞伎町に来る若者たちのバックグラウンドはさまざまです」
若者たちは、TikTokやXなどSNSを見て、「歌舞伎町は楽しそう」と思いやってくる。そして、何か困ったことがあると、日本駆け込み寺のことを聞き、訪れる。
同法人の設立は2002年。居場所がなく、頼るあてのない人たちが訪れる無料相談所だ。
家庭で孤立し、愛情に飢えている
人間関係がうまくいかない、仕事が続かない、メンタルクリニックの医師とうまくいかない、家がない……。
そうした飛び込みの相談だけでも月30、40件。電話、メール、公式LINEを合わせれば月に120件は超える。
男女は半々。2年前からここのスタッフとして働き始めた清水さんが把握している中で一番の年少は、13歳の女の子だった。関東地方に住んでいたが、親と上手くいかず悩みに悩んで1人で歌舞伎町まで来たという。
「家庭で孤立し、愛情に飢え、甘えられるところを探している子が多いです」(清水さん)


















