「飛び込み営業」「会食で根回し」そんな"泥臭い仕事"をできる人が、AI時代も重宝される理由

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

泥臭い仕事の本質は、不確実性の高い状況で試行錯誤することにある。失敗したり、断られたり、うまくいかない経験を積み重ねる中で、「この状況では、こういうアプローチが有効だ」という経験知が蓄積されていく。他の人がこの経験知こそが、AIには代替できない、人間固有の価値といえる。

しかし、ここで重要な注意点がある。単に泥臭い仕事をこなしているだけでは、意味がないということだ。

例えば、飛び込み営業を100件やったとする。ただ淡々とこなし、断られ続け、「つらかった」で終わってしまったら、それはただの苦労話にすぎない。重要なのは、その100件の経験から何を学んだかだ。

「どういう企業は話を聞いてくれやすいか」「どういう切り出し方をすると警戒されにくいか」「断られ方のパターンは何種類あるか」。このような問いを自分に投げかけ、経験を言語化することで経験知が蓄積される。

そういった経験知をAIにインプットすることで、AIが「より話を聞いてもらいやすい資料を作る」「断られた際の切り返しトークを資料にまとめる」といった仕事をしてくれる。人間の経験知があってこそ、AIの仕事の価値も高まるということだ。

繰り返しになるが、重要なのは「言語化をする」ということである。

経験知があるから、物事を動かせる

もちろん、泥臭い仕事をむやみに礼賛するつもりはない。非効率なままにしておくべきだとも思わない。できる限り効率化すべきだし、不要な仕事は排除すべきだ。

しかし、すべてをスマートに、効率的にしようとする風潮には、落とし穴がある。それは、経験知を蓄積する機会を失うということだ。

新人に泥臭い仕事をさせず、最初から効率的な方法だけを教える。データですべてを判断し、オンライン商談だけで完結させる。一見、合理的に見えるが、そうして育った人材は、イレギュラーな状況に弱い。AIが答えを出せない問題に直面したとき、どうしていいかわからなくなる。

次ページ人間を動かす仕事の経験知を積み上げる
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事