「仕事が終わらないから休めない→休まないから疲れる→疲れるから効率が落ちる…」負のループを断ち切る"戦略的休暇"という考え方

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さらに、いまだ長時間労働が課題の建設業の某企業も、年次有給休暇100%取得があたりまえという風土を生み出しています。業務が属人化しないようサブ担当をつけ、休みやすくする工夫をしたり、支援を求めやすい仕組みも作りました。

結果、年次有給休暇取得率向上だけでなく、平均25時間だった残業時間が17時間に減少。従業員のモチベーションも上がっているといいます。

これらはすべて、日本国内の事例です。

デンマークやドイツなど、長期休暇も残業ゼロもあたりまえで、なおかつ国際競争力やGDP(国民総生産)が高い国の話を聞くと、「それは海外のことでしょう。日本では無理」と冷めた目で言う人もいますが、そんなことはありません。

年次有給休暇を100%取っても残業ゼロでも、生産性を上げることはできます。いや、休むからこそ、生産性が高まると言えます。

キーワードは「戦略的休暇」

働き方改革が進められ、日本人の総労働時間は減少しました。

OECD(経済協力開発機構)加盟国における「世界の労働時間 国別ランキング」調査によると、2024年時点で日本の総労働時間は1617時間。

「24時間戦えますか?」が流行した平成元年の2076時間と比較するとかなり減っています。「働き方改革関連法」で、時間外労働の上限規制ができたのですから、当然の結果です。

けれど、それによって疲れは取れるようになりましたか?

あなたや職場のメンバーは、幸せになりましたか?

答えはきっと、「NO」でしょう。

コロナ禍を経て、働き方に対する価値観も変化しました。あなたも、「残業などしたくないし、休みももっと取りたい。もっと効率的に働きたい」と思いますよね?

それでも、休みにくい雰囲気が職場に漂っていませんか?

「休んだら仕事が滞るから、休むのが怖い」と思っていませんか?

だからこそ、必要なのは、発想の転換です。「休暇は損失につながるもの」ではなく、「休暇は未来への投資である」と、発想を180度転換してほしいのです。

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