「仕事が終わらないから休めない→休まないから疲れる→疲れるから効率が落ちる…」負のループを断ち切る"戦略的休暇"という考え方

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日本の生産性(労働者数や労働時間に対してどれだけの成果が出せたかを表す「付加価値労働生産性」のこと)は、今も、先進7カ国で最下位。働く人の8割が仕事で強いストレスを感じ、メンタルヘルス不調者も増える一方――。これが現実です。

休んだら生産性が上がった

「仕事が終わらないから休めない」→「休まないから疲れる」→「疲れるから業務効率や生産性が落ちる」。そんな悪循環に、あなたも陥っていないでしょうか。

そして、「ここから抜け出すなんて無理だ」と、どこかであきらめていませんか?

でも、安心してください。実は、休んだほうが生産性は上がるのです。これは、机上の空論ではありません。日本国内でも、すでに積極的に休むことで成果を出している企業があります。

あるアパレル企業は、今から20年ほど前に「残業ゼロ」を掲げ、18時に全員退社するルールを作りました。当時はまだ、残業も、長く働く人が偉いという感覚もあたりまえでしたから、かなり先進的な取り組みでした。

結果は、19期連続増収増益。

私は雑誌記者時代にこの企業の取材をしました。

社員は相当戸惑っただろうと思い、数人に話を聴いたところ、「はじめはもちろん仕事が終わらず困りました。でも、18時が締め切りだと思うと、優先順位をどうするか、やらなくていいことは何か、どこで折り合いをつけるのかということを自然に考えるようになるんです。結果的に、毎日残業せずとも仕事が終わるようになりました」と、皆、笑いながら話してくれました。

また、ある老舗菓子メーカーは、年次有給休暇取得100%を25年以上にわたり継続しています。

当初は年次有給休暇を取得する代わりに残業が増えてしまったといいますが、設備投資をしたほか、各職場で効率化を真剣に考え取り組んだ結果、残業ゼロかつ年次有給休暇100%取得が実現しました。売上高は年々上昇傾向にあり、社員の健康度も高まったとのことです。

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