「竹内涼真がハマりすぎてる」「SNSが沸いた」 豊作揃いの秋ドラマの中で《じゃあ、あんたが作ってみろよ》が、"今期最高"と評判のワケ
鮎美は鮎美で勝男を決めつけている。彼は絶対に人前で弱音を吐いたり泣いたりするような人ではないと思い込んでいたが、第5話で勝男が公衆の面前(空港)でおいおい泣く姿を見てしまう。
視聴者的には、第1話からずっと、勝男がやたらと泣いているのを見ていて、意外と打たれ弱いのがわかっているのだが、鮎美はそんなことをこれっぽちも知らなかった。
最近のドラマは、『じゃあつく』に限ったことでなく、いい人、悪い人と、一面的に描かず、1人の人間の中に善と悪が存在し、シームレスであるように描くものが増えている。だがそれは、ともするとどっちつかずでパンチに欠けがちだ。
『じゃあつく』はほどよく、いい人と悪い人が1人の人間の中にたゆたっているところを描写することに成功している。
女性視聴者から見たら、男性が大いに打ちのめされて反省するのが小気味いいし、男性視聴者から見たら、自分たちの空回りの偏見にも悪気はないのだということを証明してもらったようでホッとするのではないだろうか。
竹内涼真をキャスティングした妙
それから、勝男役が竹内涼真であることも成功ポイントであった。
シュッと背が高く、爽やかなビジュで、シンプルな白のVネックシャツが似合う。へんにムキムキと鍛えた感じもない。取りつく島のないほどのイケメンエリート臭はなく、恋人や部下に見切られてしまう情けなさがかわいげに見える。
竹内は大手芸能事務所所属で、わりと恵まれた道を歩んできたはずが、キャリア的にどこか突き抜けきれないものがあった。今回、その突き抜けきれなさが勝男の役に合っているような気がする。やり続けるとこういう幸運があるものなのだろう。
やたら凹みがちなところもいいし、左利きなのに箸をスマートに使用しているのも不思議なアンバランス感があっていい。
筑前煮、オムライス、おでん、さばの味噌煮、とり天……料理を通して自己反省していく勝男。料理のセレクトが素朴なのも好感触だ。どんどん自分で料理を作り、どんどん反省し、女性にへんな理想を押しつけないようになってほしい。
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