「にわかには信じられなかった・・・」住民驚き あの"田園調布"の駅前にまで「民泊」! 行ってわかったリアルな実態

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東急田園調布旧駅舎
この地域のシンボル、東急田園調布旧駅舎(筆者撮影)
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日本を代表する邸宅街を形成する東京都大田区田園調布。ほかにも渋谷区の松濤や世田谷区の成城、関西なら芦屋市の六麓荘など国内に高級住宅街はいくつもあるが、1万円札の肖像となっている実業家渋沢栄一が開発したという輝かしい歴史や、かつて一世を風靡した漫才コンビの決まりフレーズ「田園調布に家が建つ」(星セント・ルイス 1980年ごろ)などもあって、まだまだ田園調布はお屋敷街の代名詞と言ってよいだろう。

「にわかには信じられなかった」

その田園調布の町に今年になって衝撃的な知らせが広がった。この町の玄関である東急・田園調布駅前についに「民泊」(11月開業)ができるというニュースである。

インバウンド(訪日外国人)が押し寄せる昨今、民泊なんて珍しくないとも思えるが、敷地面積の分割に制限を加えることで町並みを維持してきたこと、ホテルや大型のスーパーなどもなく、純粋な住宅街としてのステータスを保ち続けてきた稀有な田園調布の町の玄関に民泊ができることになったというニュースは、地元の自治会長が「最初に貼り出された告知を見た時はにわかには信じられなかった」と述懐される通り、あまりに町のイメージとかけ離れていると受け止められた。

民泊は文字通り、「民家を旅行者などに有償で宿泊施設として提供する施設」のことで、旅館業法による「簡易宿所」、住宅宿泊事業法による「民泊新法による届け出住宅」、国家戦略特別区域法による「特区民泊」の3種類がある。

今回、田園調布の町を揺るがしているのは、運営できる地域が限られているものの認定手続きの手間と費用が一番かからない「特区民泊」である。

大田区は実は東京都唯一の「特区民泊」が許可された自治体である。特区民泊は全国的に見ても珍しく、2025年10月時点で制度化されているのは、全国で8カ所の自治体だけである。

そのうち、大阪市が圧倒的に多く、2025年6月末時点で6500件あまりの民泊が運用されている。次に多いのが大田区で300件あまり。それ以外はひと桁なので、大阪市を除けば大田区も全国的に見て非常に多いことがわかる。

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