「にわかには信じられなかった・・・」住民驚き あの"田園調布"の駅前にまで「民泊」! 行ってわかったリアルな実態
大田区が特区民泊に力を入れている理由は、何といっても日本の空の三大玄関のひとつ、羽田空港があることが最大の理由であろう。
首都圏で海外との航空路を持つ国際空港は成田空港だけであったが、2010年に羽田の国際化が実現すると次々に路線網を伸ばし、今では国際線旅客数で成田の3分の2強の規模となっている。せっかく羽田に降り立ったインバウンドを他区に直行させるのではなく少しでも泊まってもらおう。そんな目算が特区民泊にはあったと考えられる。
大田区の特区民泊認定数は2025年10月には371件とさらに増えている。そして民泊のほとんどは羽田空港への路線を持つ京浜急行の路線に沿う形で分布しており、空港線の天空橋~京急蒲田間と京急本線の大森海岸~六郷土手の間、およびJR京浜東北線の大森、蒲田駅(ともに羽田空港までのバス路線がある)周辺に集中している。
夜中にスーツケースの大きな音が・・・
ところがそのエリアは次第に広がりを見せ、東急の多摩川線沿線の武蔵新田や下丸子の駅あたりまで民泊が見られるようになった。この多摩川線は、将来は京急空港線に接続し、空港への利便性が格段に高まることが近ごろ正式に発表されたため、ますますインバウンドにとって宿泊地の選択肢として大田区の東急沿線への注目が高まっているのである。
その一方で、住宅地の中に民泊ができることで、これまで各地でトラブルが起きているという報道がなされ、民泊のイメージは良好とは言いがたい。
筆者は数年前まで民泊が増殖している京都に住んでいたことがあり、やはり住宅地に建つ一戸建ての民泊施設周辺で、宿泊客が夜中にアスファルト上でスーツケースを引いて大きな音を響かせたり、民泊施設がわかりにくくて夜中に隣の一般の家のチャイムを押したりといったトラブルの様子を間近で見聞きした。
こうした民泊の広がりは海外でも問題になっており、コロナウイルス蔓延以前の2018年に、深刻なオーバーツーリズム問題を抱えるスペイン・バルセロナのバルセロネータ地区の民宿の調査をした際に、地域住民から直接さまざまな課題をヒアリングしたことがある。
マンションの民泊利用者が深夜大量にシャワーを使ってほかの住民の部屋の水圧が下がったり、普通の住宅用の部屋が次々に民泊に転用され家賃が高騰したりという話を聞いた。



















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