「運動前にバナナ」は、理にかなった技なのか 巷にあふれる「よもやま健康法」を徹底解剖

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
「運動前にバナナ」は、科学的に正しいといえるのでしょうか(写真:tsuppy / PIXTA)

昨今、インターネットやテレビ、あるいは電車内広告などで、健康情報を目にしない日はありません。ただし、科学的根拠に基づいているのかわからないものや、いかにも怪しげなものが少なくないのも事実です。

そこで今日から数回にわたって、そうした巷に流布されている情報や健康法について、科学的根拠にもとづいて検証していきたいと思います。

「運動前にはバナナ」「非常食にはチョコ」の真実

昔から「運動前はバナナを食べるのがいい」とか、「登山のときの非常食はチョコレート」などと言われてきました。「なんとなくそんな気がする」と思われる方が多いかもしれませんが、それが本当なのか、また科学的根拠はあるのか、はっきりご存知の方は少ないのではないでしょうか。

この真相を知るためのカギは、摂取した食べ物が食後どれくらいのスピードで糖分に変わるかを示す「グリセミック指数(GI)」にあります。

グリセミックとはぶどう糖のこと。GIは、ぶどう糖そのものを食べた2時間後に血液中のぶどう糖が上昇した分を100とし、各食品がその何%になるかを示した数値です。つまり数値が高い食品ほど、ぶどう糖を多く含む、かつ、体内で早くぶどう糖になる、ということを意味しています。

ドラッグストアなどで売られているぶどう糖(糖尿病の患者さんが薬を飲んで血糖値が下がりすぎたときに使うもの)がありますが、これを飲んだときのGIが100となります。炭水化物は食べたあと体内ですべてぶどう糖に変わりますが、一方で炭水化物の含有量がゼロの食品は、当然、GIもゼロです。

次ページ使い切れないぶどう糖がたまると……
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事