ウォーキングに多くの健康効果があることはみなさんよくご存じだと思います。でも、「なぜウォーキングが腎臓にいいのか」をご存じの方は、たぶんそんなに多くはないはず。
そこで、まずは腎機能の機能維持や回復にウォーキングが効果を発揮する理由を説明しておきましょう。
そもそも、腎臓にとってもっとも重要なのは「血流」です。腎臓には心臓の送り出す血液の4分の1に相当する大量の血液が流れ込んでいて、非常にたくさんの血液や血管が集中しています。
腎臓の機能をすこやかにキープするには、そうした血管をしなやかに保ちつつ、多くの血液がよどみなく流れているような状態を保っていくのが欠かせない条件なのです。
そして、日々ウォーキングを行っていると、その「血管をしなやかにする」「血液の流れをよくする」という条件を見事にかなえることができるのです。
つまり、ウォーキングは、腎臓の血管や血流を守っていくうえで、たいへん「理想的な運動」であるわけですね。
高血圧・糖尿病によるダメージを減らす
それに、慢性腎臓病を進ませてしまう2大原因は「高血圧」と「糖尿病」です。
高血圧があると、腎臓の毛細血管に高い圧がかかって血液の流れが滞りがちになり、腎臓を流れる血流量も少なくなります。
また、糖尿病があると、高い血糖によって腎臓の毛細血管が内側から傷つけられ、やはり血液の流れを悪くしてしまうことになります。さらに、こうした高血圧や高血糖によるダメージが続くと、腎臓の血管の動脈硬化が進んでしまうことにもつながっていきます。
しかし、ウォーキングには、高血圧や糖尿病を予防・改善する効果が認められているのです。
これは、日々ウォーキングを習慣にしていれば、高血圧や糖尿病による腎臓へのダメージを減らしていくことができるということ。
すなわち、こうした腎臓へのダメージの減少が、腎機能低下が進むのを防いだり、血管の動脈硬化が進むのを防いだりすることへとつながっていくわけです。
この他にも、ウォーキングには「活性酸素を減らす」「腎臓の濾過機能を守る働きを強化する」「一酸化窒素(NO)の産生を促して血管を拡張する」といったさまざまな効果が認められています。
そして、こういった多くの理由により、「ウォーキングに腎機能をよみがえらせる力がある」ということは、もはや「誰も疑う余地のない常識」となっているのです。


















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