「人の命がかかっている」伝説の万引きGメンが忘れられない"限界超えた母"の事件…犯罪の温床になっている"セルフレジ"不正防止の秘策も明かす

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

Gメンになるための特別な資格はありません。しかし、望月さんは採用面接で必ず「球技をやっていましたか?」と尋ねるそうです。その真意を聞いてみると、

「Gメンに必要な素質は、第1に視力がいいこと。そして、第2に反射神経が優れていることです。犯人が犯行に及ぶ瞬間は、最も神経が昂っている時。そこで素人が下手に近づけば、すぐに気づかれて証拠を隠されてしまう。目線を合わせたら一発でアウトです。だから遠くからでも犯行に気づけることに加え、犯人の動きに合わせてパッと動ける俊敏性が求められるんです」

“万引き大掃除部隊”ことHI-SATの存在

そして、そうした優れたGメンの中でも、選び抜かれた精鋭たちが集うのが「HI-SAT(ハイサット/高度緊急展開部隊)」、通称「万引き大掃除部隊」です。

難関の入隊試験と6カ月に及ぶ厳しい技術研修をくぐり抜けた、まさにエリート中のエリート集団。彼らは基本的にチームで行動し、悪質な万引きが多発する大型店舗での一斉摘発など、特に困難な任務にあたります。

彼らが携帯する特殊警棒や無線機、防弾ベストといった装備からも、その任務の過酷さがうかがえます。

防弾ベストなど
HI-SATの必需品、防弾ベストや無線機、特殊警棒、ホイッスル(撮影/今井康一)

しかし、HI-SATの真の目的は、単に犯人を捕まえることではありません。彼らの任務は、「隠されているロス、隠しているロスを見える化」し、店舗が抱える根本的な問題を解決に導くこと。

まさに、望月さんが掲げる「ソリューションカンパニー(問題解決起業)」の理念を最前線で体現する部隊です。

次ページ来年80歳。これからどうする?
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事