クルー制を導入し、省人化により艦隊勤務の負担を減らすことは、中途離職が多い乗組員をつなぎとめるための方策でもあった。しかし実際には「つらい艦隊勤務」は続き、乗組員の確保が難しい状態は解消されていないことになる。この点だけを見ても「もがみ級」の導入は失敗だといえるだろう。
海自は筆者の質問に対し、もがみ級の改良型でもクルー制の導入に取り組むとしている。しかしそれは不可能ではないだろうか。可能にするためには護衛艦の隻数を削減する必要があるはずだが、海自は新たに小型で乗員30名の哨戒艦を12隻導入する計画を掲げているからだ。そもそも哨戒任務は、海自が来年度から導入する哨戒用の無人機であるシーガーディアンで置き換え可能なのではないか。乗員不足に対する危機感がなさすぎるように感じる。



















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