ガソリン原価の実態、不当廉売容疑で30年ぶりの立ち入り検査

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5割超える赤字スタンド

元売り系列のスタンドが業転玉を仕入れるのは禁じ手。しかし、原油高による経営難で全国スタンドの過半は赤字だ。そこで元売り各社は、他系列由来の業転玉に限り、自系列のスタンドが業転玉を仕入れることを黙認してきた。

石油情報センターの調べでは、元売り系列の5割程度が系列外から仕入れたことがある。

ミタニの場合、出光系列で国内有数の大手である一方、親会社の三谷商事はコンクリートから情報システム、風力発電まで手掛ける商社。業転玉と系列玉を自在に仕入れられる状況にあることから、仕入れ原価の構成は複雑だ。

SS経営に詳しい公認会計士の中澤省一郎氏は「特殊事情から不当廉売ではない可能性がある」と指摘する。ミタニの場合、ガソリンの仕入れ原価の複雑さに、さらに二つの特殊事情が加わるからだ。

一つ目は2009年に閉鎖されたJX系の日本海石油の富山製油所と関係する。JXと出光の間では地域補完のためにバーター取引が存在していた。東海地区に製油所を持つ出光がJX系SSにガソリンを卸す一方、富山に製油所のあるJXが北陸地区の出光系SSに卸すというものだ。

契約の詳細は不明だが、富山製油所の閉鎖でJXがバーターの役割を果たせなくなって以降も、他地域から仕入れる運賃分を割り引いてミタニに卸している可能性がある。その運賃分だけ、近隣のSSよりも安くなるというカラクリだ。

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