これらのうち、クルマのパワーをオンにして最初は、バランス・モードが自動選択される。このモードは、最も標準的な仕様で、街乗りから高速道路まで、幅広いシーンに対応。先に述べたとおり、市街地で信号待ちから発進する際には、過不足のないマイルドかつスムーズな加速感となる。
一方、モードをダイナミックに変えると、アクセルペダルを踏む量に応じて、リニアにパワーが発生。とくに高速道路の合流車線などで、アクセルペダルをグンッと踏み込むと圧倒的な鋭い加速を味わえて、走りが一気にスポーティとなる。しかも、このとき、先に述べたオプションのアダプティブ・エアサスペンションが、路面をしっかりと捉えてくれ、安定感も抜群だ。
逆に、モードをコンフォートやエフィシエンシーにすると、パワーの出方はもちろん、オプションのアダプティブ・エアサスペンションも、乗り味がソフトな設定となる。とくにエフィシエンシー・モードでは、速度に応じてサスペンションが車体を20mm下げる動作を実施。これにより、ボディの空力特性をアップさせ、電費や一充電走行距離の向上につなげるという。
パワートレインについて
ちなみに走行用バッテリーは、PPEのために新たに開発された総電力量100kWh(正味容量94.9kWh)リチウムイオンタイプを搭載する。パワートレインは、試乗したA6アバントe-tronの場合、1基の電気モーターを搭載した後輪駆動方式だ。システム最高出力は280kW(約380PS)を発揮(ローンチコントロール起動時、通常時270kW=約367PS)。0から100km/hまでの加速時間は5.4秒、最高速度は210km/hだ(A6スポーツバックe-tronも同様)。
対して、スポーツグレードのS6スポーツバックe-tronとS6アバントe-tronは、車体前後に2基の電気モーターを搭載した独自の4輪駆動システム「クアトロ(quattro)」を採用。システム最高出力は405kW(約550PS)を発揮(ローンチコントロール起動時、通常時370kW=約503PS)。0から100km/hまでの加速時間は3.9秒で、最高速度は240km/hとなっている。


















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