先生 ではここから、注目のインドを人口という切り口で見ていきましょう。インドはまさに今、人口ボーナス期のまっただ中です。2017年に始まり、2030年代半ばまで続くと予測されています。
陽菜 ではインドは、かつての中国のように、これから高成長ということですね。やっぱりインド株を買ってみます!
先生 たしかに人口ボーナス期にあるので、今後の高成長はじゅうぶん期待できます。
インド経済の「意外な盲点」
先生 ただ、その実現には条件があります。生産年齢人口が着実に労働力になることです。
陽菜 そっか! 生産年齢人口が増えても、仕事に就く人が増えなければ、経済成長にはつながらないんですね。
先生 そのとおりです。中国では、人口ボーナス期に国内の投資が増え、雇用も急速に拡大しました。政府が主導して、人口ボーナスを活かす基盤をつくったわけです。これがうまくいって、急速に成長できました。
陽菜 インドは中国のようにいかない可能性があるのでしょうか?
先生 インドは、生産年齢人口が毎年1000万人以上増えています。働けない人、働こうとしない人などを差し引いても、少なくとも、毎年500万人以上の人たちが新たに職を求めることになります。
この500万人以上の人たちが職に就ければ、経済成長に大きく貢献するでしょう。しかし職に就けなければ、どうでしょうか。失業者が増えて、経済成長どころか、社会不安にもつながりかねません。
陽菜 生産年齢人口が増えればよい、というわけではないんですね。
先生 人口ボーナスを活かすには、雇用の受け皿が必要で、そのためには産業の育成が重要ということです。



















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