美しいものは、なぜ美しいのか…「軽度認知障害」とともに生きる山本學が気づいた【観察の効能】
朝田 おっしゃるとおりです。年齢に関係なく、心や知能の健康のためには、まず観察という姿勢が不可欠です。そして観察においては、いわゆる常識とか、固定観念から離れた方向へ感覚を向けてみることが欠かせません。
これが、ある意味で脳トレになり、心をリラックスさせ、感覚の柔軟性を保つことにもつながっていくんですね。
伝えようとする「意思」を持つことが大事
山本 周囲の人から、「學さん、どうしたら認知症にならないで済むの」って聞かれるんだけど、そんなとき、こんなふうに答えます。
「とにかくものをよく見て、こういうもんじゃないかと言葉にして、相手に伝えなさい。伝えようとする意思を持つことが大事ですよ」と。
朝田 五感、特に目をフルに使って、その中から何かを見つける。観察するだけではなく、それを言葉にして周囲に伝える。これは社会性を保ち、認知症の進行を鈍化させるのに欠かせない、とても大事なことですよ。
山本 そう。言葉にすることも大事ですね。観察することはもちろんだけど、見るだけで人に伝えなければ、ただ見て好きか嫌いかだけで終わってしまいますから。
朝田 ものを見るということから始まって、本質的な部分にまで話が広がりましたね。とても面白かったです。
山本 いやいや、ちょっと説教くさくなっちゃったかな。
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