「優秀なあの人」でも独立に成功できない理由 ダメ社員にだって起業のチャンスはある

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サラリーマンで成功を収めたからといって、起業・独立でもうまくいくとは限りません(写真:taa / PIXTA)

「こんな会社、もう辞めてやる!!」

会社勤めをしているビジネスパーソン。老若男女、その役職や立場を問わず、一所懸命に働いている人ほど、こうした心境に一度や二度はなるものです。時代に取り残されている経営戦略。上層部の顔色ばかりをうかがって部下や顧客を顧みない中間管理職、社内での足の引っ張り合い、何をやっているかわからないお荷物社員――。会社内での理不尽を数え上げればキリがありません。

そんな状況に耐えて出世街道を駆け上がり、自分の思うような会社経営に携われれば幸せですが、一定規模以上の企業になると社長をはじめ役員クラスまで昇進できるのは一握り。中には会社を替わったり(転職)、自分で事業を興したり(起業・独立)という選択をする人も少なくありません。

このうち、起業・独立を選ぶ人の実態はどうなっているのでしょうか。

100人に1~2人は起業・独立を考えている

2014年版の中小企業白書によれば、「起業家の数は1979年から2012年にかけて緩やかな減少傾向にはあるものの、大きくは変わっておらず、毎年20万~30万人が一貫して誕生している」のが、日本の現状です。何らかの起業を検討している起業希望者の数でいえば、2012年で約84万人。これも緩やかな減少傾向にはあるものの、約5200万人に上る日本の労働者全体を見渡すと100人の中で1~2人は起業・独立を検討したり、実際に行動に移したりしているという計算となります。

一方、少し古いデータとなりますが2006年版の中小企業白書によると、個人事業で会社を興した場合、創業者の約40%が1年未満に脱落。3年目を超えて、5年後まで継続できる人はわずか約25%。そして10年後まで生き残っている人は10%という厳しい現実があります。独立・起業コンサルタントである筆者の実感からしても、この傾向は今も大きく変わっていないはずです。

では、いったいどんな人が起業・独立後に成功を収め、どんな人が失敗しているのでしょうか。

ここにAさん、Bさんという2人の起業者がいたとしましょう。Aさんは、大手メーカーの営業部門でトップセールスマンを続けてきたスーパー会社員。Bさんは勤め先の金融機関で出世できず、リストラで会社を去りました。

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