「優秀なあの人」でも独立に成功できない理由 ダメ社員にだって起業のチャンスはある
「Aさんが成功を収め、Bさんは失敗するだろう」。そんなイメージを持った人は少なくないでしょう。もちろん、そうなるかもしれませんが、スーパー会社員のすべてが起業・独立に成功し、ダメ社員のすべてが失敗するかといったら、そんなことはありません。サラリーマンとしてはまったく目が出ず、周りからダメ社員の烙印を押された人がリストラの末、消極的に起業して大成功を収める、なんてケースも結構少なくないのです。
会社員に向いている人、起業家に向いている人
筆者は独立・起業コンサルタントとして、述べ1万人以上の起業家やその予備軍に密に接し、そこでたくさんの成功・失敗事例を見聞きしてきました。これらの経験からわかったことがあります。
それは、人は「会社員(サラリーマン)に向いている人と、会社員を辞めて起業家として独立をした方がいい人に分かれる」ということです。
それはなぜか?
答えは会社員に求められるスキルや能力、考え方と起業家に必要なそれとが必ずしもイコールではないからです。
サラリーマンと起業家の違いをいくつか考えてみましょう。
・毎日の仕事はある程度決まっている
・会社や上司の指示に従って仕事する
・毎月の給料は、ほぼ安定
・毎日、やるべき仕事が変わる
・仕事は自分の判断で選択する
・毎月の給料は実力次第
サラリーマンに求められるスキルやノウハウ、考え方などは、独立・起業のそれと必ずしも一致しません。むしろ、一致しないことも多いといえます。
たとえば喫茶店での打ち合わせ。会社員ならばほかのみんながコーヒーを頼めば、場の空気を読み、自分の好き嫌いにかかわらず同じコーヒーを注文するのが無難でしょう。ところが、起業家(向き)の思考は違います。「ここはクリームソーダを頼んだ方がおいしいな」と。なぜなら、良い悪いは別にしてそれだけで目立ち、その他大勢から抜け出せる、と考えます。
実際に日本を代表する創業社長であるホンダの故・本田宗一郎氏も、ソフトバンクグループ創業者の孫正義社長なども、決してサラリーマンには向かない個性豊かな性格と才能が起業というステージで開花したのです。ホリエモンの愛称で知られる堀江貴文さんも、会社勤めをしていたら今のような地位を得られていないかもしれません。
サラリーマンとして成功する人は、「与えられた枠の中で仕事をするのが得意な人」であり、起業家として成功する人は「枠自体を自分でつくるのが得意な人」といえます。ある程度、ルールや指針を示されれば実力を発揮できる、と思っている人にはサラリーマンが向いていますが、ルールなんかに縛られたくない、私がルールだと思っている人、ルールを自分で作りたい、と思っている人は起業家向きです。
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