一方、コースティング走行の設定は、右の「+」セレクターで減速度を最小にする。コースティングとは、ギアをニュートラルに入れてアクセルをオフにしたときのように、減速度がほぼ利かない(ガソリン車の場合はエンジンブレーキがほぼ利かない)状態で走行することだ。たとえば、市街地で先にある信号が赤になったときなどに、アクセルをオフにしてブレーキのみを操作し、停止線まで減速を行う感じだ。タイミングさえうまく合わせれば、速度の落としすぎなどが少なく、アクセルの再操作などが不要となる。
今回の試乗では、市街地だけでなく、峠道の長い下り坂で、コースティング機能を使ってみた。この場合も、ブレーキペダルの操作だけで走行が可能となり、かなり楽に走ることができた。ただし、こうしたケースでは、ブレーキを酷使しすぎると、フェード現象などを起こし、ブレーキが利かなくなる恐れもあるので注意したい。筆者の場合、速度が速くなりすぎて、法定速度を超えそうになったり、前の車に追いつきそうになったりしたときなど、左側の「-」セレクターで減速度を増して速度をコントロールした。この方式なら、ブレーキを使いすぎず、しかもアクセルペダルを頻繁に踏む必要もないため、実用域での燃費向上にも貢献するはずだ。
なぜコースティングを設定したのか?
ちなみにホンダによれば、「欧州では、下り坂でコースティング走行を使うことはかなり一般的」だという。また、「(コースティング機能の)ホンダ車への搭載も要望が多かった」ようだ。とくに新型プレリュードは、日本だけでなく、欧州などでも販売するグローバルモデル。欧州ユーザーへの対応などもあり、今回の新規導入につながったようだ。
コースティング機能自体は、以前からアウディなど一部の欧州車で国内モデルにも採用されている。また、近年はBEVモデルなどでも採用例が増えてきている。だが、まだまだ日本では、あまり馴染みのない機能なのもたしか。そんな新機能に対し、国内ユーザーがどんな反応を示すのかも気になるところだ。



















無料会員登録はこちら
ログインはこちら