Netflix《今際の国のアリス》世界1位浮上は"快挙"か"試練"か。日本発では"圧倒的なブランド力"を誇りながら、「初週で1位」獲れない背景を解説
対して、シーズン3は主人公のアリスとウサギが現実世界に戻った後、再び“今際の国”に引き戻されるという展開です。物語の焦点は「絆」といった人間ドラマの比重が増し、サバイバル要素よりも内面描写が前面に出た印象があります。

不思議な中毒性はあるがライバルが強すぎた
多少ネタバレを含み、さらに突っ込ませてもらいます。
そもそも“今際の国”とは何なのか、その答えはすでにシーズン2で明かされており、残された謎は「ジョーカー」の存在のはず。にもかかわらず、この回収が甘いままであるのも疑問が残ります。
また、山下智久が全裸で挑んで強烈な印象を残したキャラクター以上の登場人物がシーズン3では不在です。ゲームメーカーとして再登場した磯村勇斗演じるバンダのキャラクターも、魅力を十分に生かしきれていない印象があります。
賀来賢人が演じる新キャラクターはスパイスとして機能しているものの、感情移入しづらい側面も否めません。何より、サプライズで登場する渡辺謙が圧倒的な演技で魅せるものの、役回りが伝わりにくい点も惜しいところです。

それでも最後まで見てしまう“不思議な中毒性”があるのは確かです。シリーズを通してアリス役の山﨑賢人とウサギ役の土屋太鳳の息ぴったりの演技が支えていることがその理由の1つにあるでしょう。
キャラクターに感情移入していた層には、2人の関係性が丁寧に描かれたことで、“見せ切る力”があります。「刺激」から「余韻」へとトーンがシフトしたその変化が、評価の分かれ目になっていそうです。
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