年収、仕事、それとも人間関係…? 「未婚の中年男性」の幸福度があまりに低すぎる"悲しい理由"

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先に年収別の幸福度の未既婚の差をお話ししましたが、男性の場合、そもそも未婚と既婚とで年収の差があることは明らかです。具体的に、2022年就業構造基本調査から、40代の未既婚男性の年収中央値を計算すると、既婚が約573万円であるのに対し、未婚は367万円にすぎません。この年収中央値の差は既婚が未婚の約1.6倍です。幸福である割合の差も未婚に対して既婚が約1.7倍ですから、幸福度の差はちょうど年収の差であると言ってもいいかもしれません。

出口のない負のスパイラル

もちろん、お金だけの問題ではないですが、今の40〜50代が20代の頃に置かれた就職氷河期や不況などの経済環境を考えると、「金がないからずっと幸福でない」→「ずっと幸福でないから結婚できない」→「結婚できないから幸福ではない」という、出口のない負のスパイラルにハマっている人達は少なくないでしょう。繰り返しますが、未婚中年男性でも経済的に余裕があれば既婚と同様幸福度は高いわけです。

身もふたもないことを言えば、40歳を過ぎて初婚するのは統計的にはかなり厳しいものがありますし、中年独身男性の幸福は別の方法でなんとかするしかないとは思いますが、ただでさえ不幸な中年独身男性たちをさらに不幸に陥れるようなお金の不安は避けてほしいものです。また、少なくとも今の若者を20年後の不幸な中年独身にする「不幸な中年独身の再生産」にならないような経済対策を期待したいものです。

荒川 和久 独身研究家、コラムニスト

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あらかわ かずひさ / Kazuhisa Arakawa

ソロ社会および独身男女の行動や消費を研究する独身生活者研究の第一人者として、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌・Webメディアなどに多数出演。著書に『「居場所がない」人たち』(小学館新書)、『知らないとヤバい ソロ社会マーケティングの本質』(ぱる出版)、『「一人で生きる」が当たり前になる社会』(ディスカヴァー携書)(ディスカヴァー携書)、『結婚滅亡』(あさ出版)、『ソロエコノミーの襲来』(ワニブックスPLUS新書)、『超ソロ社会』(PHP新書)、がある。

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